[特集]葬祭業のホールディングス経営
近年、事業承継問題を抱える企業が増加していることもあり、M & Aや分社化などを戦略的に実行する企業がふえてきた。そうしたなか、持株会社により傘下のグループ企業(子会社)を統一的に支配する「ホールディングス化」を採り入れる企業も数多い。
葬祭業界においてもホールディングスを母体に、さまざまな環境変化に備える動きがみられるようになってきた。グループ全体を統一的に管理する一方で、個別の事業については役割分担を明確化できること、さらに、意思決定のスピード向上、リソースの柔軟な配分などがメリットとしてあげられるが、実態はどうなのか。
今号では、ホールディングス化した企業にその経緯と狙い、ホールディングス化のメリット・デメリットなどについて意見を伺った。
PICKUP ケーススタディ
――燦ホールディングス㈱
葬祭業が確固たるビジネスとして確立されていなかった時代に、金融、証券など関西経済圏の中枢ともいえる大阪・北浜に、1932(昭和7)年、公益社が誕生した。94年3月には大阪証券取引所新二部に株式上場を果たし、同年5月には東京に進出。2004年に燦ホールディングス㈱に商号変更・持株会社となり、会社分割により新たに設立した㈱公益社が葬祭事業および運輸事業を承継し、新時代に向けたライフエンディングの総合サービス企業へのスタートを切る。同社社長である播島聡氏に、ホールディングス化の意図、そして今後の展開について話を伺った。
持続的成長・多角経営に必要な
ホールディングス化4つの目的
――古内耕太郎氏 経営デザイン・Partners 代表取締役社長
燦ホールディングス[大阪本社:大阪市北区、東京本社:東京都港区]
――業界の発展と地位向上に向け牽引
リーディング企業のHD化
穴太ホールディングス[千葉県木更津市]
――本業を含め9社6事業を統括
1次~3次までの6次産業化確立へ
YFFホールディングス[島根県安来市]
――3社傘下に安定した承継体制を確立
将来を見据えた異業種参入も開始
天国社ホールディングス[福岡市西区]
――創業期から独立採算制を標榜
ホールディングス化で強固な体制へ
メモワールホール泉[横浜市泉区]/メモワールグループ
――未出店エリアに進出した
2つの機能打ち出す多層階会館
高崎ピクシー邸 桜想[群馬県高崎市]/天国社中央
――県内本命エリアへの初出店
「桜」コンセプトの小規模会館
新江ノ島水族館 名誉館長 堀由紀子 偲ぶ会[新江ノ島水族館]
――水族館事業を発展させた立役者を
いちばんふさわしい場所で追悼
高柳 稔氏[やなぎ 代表取締役]
×
白石和也氏[LDT 代表取締役]
――将来に向けて「スマート葬儀」を再導入
デジタル強靭化で品質・CS向上に寄与
▶冠婚葬祭文化振興財団、グリーフケア資格制度 ファシリテーター研修第3期修了式
▶日冠連経営者協議会、第22回年次総会・第1回「FUNERAL AWARD2024」を開催
▶福島県JA葬祭事業連絡協議会、6月20・21日、函館で視察勉強会を実施
▶全国JA葬祭経営研究会、「第1回終活相談担当者スキルグランプリ」を開催
▶YEG葬祭部会、第2回総会を横浜で開催
▶アルファクラブ武蔵野、事業計画「VISION70」進捗状況を報告
拠点都市の葬祭市場を読み解く――広島県福山市
日本列島マップグラフ-納骨堂数
▶全国市区町村別の会館充足度指標(本誌算出)
part3「北関東」編
▶訃報・お別れ会情報(2024年5月21日~6月20日)
・特定サービス産業動態統計調査/葬祭業(Funeral Services)
2024年の売上高、取扱件数、事業所数、従業者数の推移
・全国新設会館一覧、2024年6月~7月開業分(編集部調べ)
・きずなホールディングス、岡山・熊本に相次いで出店
・兵庫・冠婚葬祭こころの会、姫路市内4店舗目を開設
・全石協、第12回通常総会を開催
・火葬研、24年度通常総会を開催
・相模原・永田屋、地元議員向けに研修会
・燦ホールディングス、売上高224億円余
・はせがわ、売上高213億円
・寺院デザイン・薄井秀夫氏、葬式仏教をテーマに新著
・100人いれば100通りの葬儀 ヒトモノガタリ(10)
・切り絵で見るお葬式のイマ・ムカシ(22)
・東京の火葬場立地とその成り立ち(6)連載第1回を試し読み
・中小葬儀社が勝ち残るためのマーケティング論(5)
・とある葬儀社の独り言──環境が人を育てる(4)
・学びなおし講座 死から考える(4)
・東京の墓地をめぐる近代史(2)
・多様化する樹木葬の現状と今後(2)
・単価アップ、満足度アップにつながる「ChatGPT」の活用法(2)連載第1回を試し読み
ジャパン唐和