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CO2排出量を8割削減、丸の内が最強の“RE100ビル群”へ

市場の先駆者|三菱地所

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2050年までの野心的な目標数値

三菱地所は2021年度より、丸の内エリアに立地するビル18棟および「横浜ランドマークタワー」(横浜市西区)の全電力を再生可能エネルギー由来とする。これによるCO2削減量は年間18万トンを見込む。うち丸の内エリアでの削減量は16万トンで、これは同エリア保有物件における総排出量の8割に相当する。
同社は2020年発表の「長期経営計画2030」にて、環境対応の施策としてCO2削減(17年度比で30年までに-35%、50年までに-87%)と再エネ電力比率(30年までに25%、50年までに100%)の目標数値を設定。また同年に電力100%再エネ化にコミットする国際的イニシアティブである「RE100」に加盟した。こうした流れを受けて、丸の内エリア保有物件での電力再エネ化を検討、電力会社との交渉を経て取り組み開始に至った。

 

再エネ電力の調達手段を多様化

電力切り替えには「生グリーン電力」と「トラッキング付FIT 非化石証書」という2つの手法を用いる。前者は水力、バイオマスなどの発電施設から一般送電網を通じて直接建物に供給される電力を指す。後者はFIT(固定価格買取制度)対象再エネ電力の環境価値に対する証書のうち、電源に関する情報を明らかにしたものを指す。全電力に占める両者の割合は、生グリーン電力とトラッキング付FIT 非化石証書でおおむね半分ずつのイメージ。一般的に、調達コストは通常に比べ1割程度上昇すると言われている。          
電力の調達元はENEOSや東京電力エナジーパートナーなど5社。「従前からの契約先を含めると、倍近くの企業から見積もりを依頼した」と、管理・技術統合部 専任部長の坂井健一氏は振り返る。生グリーン電力を使用している具体例を挙げると、「丸の内ビル」と「大手門タワー・ENEOSビル」ではENEOSと電気供給契約を締結、川崎市にある木質バイオマス発電所から電力供給を受けている。
また「新丸の内ビル」では、東京電力エナジーパートナーが提供する100%水力発電の電力メニュー「アクアプレミアム」で一部電力を調達していたが、このたび全電力の調達に切り替える。同メニューについては丸の内エリアのその他数棟でも採用予定とのこと。

企業はコスト増でも再エネ志向?

取り組み対象のビルに入居するテナントの反応については、外資系企業や士業、金融といった層が前向きな態度を示しているという。「今回はテナントの電力料金を変更しないが、世界的な環境配慮の機運から、自己負担が増えても再エネ由来の電力を求めるテナントが増えるかもしれない。コロナ禍でオフィスの選別がはじまるなか、環境配慮をアピールしたいテナント向けの材料となれば」(坂井氏)。          
丸の内エリアでは、2022年度中に保有物件の電力再エネ化を完了させる予定。並行して丸の内エリア外のオフィスビルや商業施設をはじめ、地方支店や子会社が関与する物件への取り組み拡大を検討していく。サステナビリティ推進部 専任部長の吾田鉄司氏は「今回の取り組みで、再エネ電力比率は30%となり、長期経営計画で定める2030年までの中間目標を前倒しで達成する見込み。それでも丸の内エリアだけではCO2削減目標に届かない。今後もグループ一丸となって環境対応を強化したい」と抱負を語っている。
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