――ラクビル
【試し読み】
「ラクビルTeX」は、ビルの入居者、管理者、所有者のやり取りを効率化するシステムである。具体的には、テナントからの入居申請や問い合わせなどへの対応、管理者による点検・確認、報告を1プラットフォームに集約するもの。
活用によって、ビル運営にかかるあらゆる情報がシームレスに繋がり、統合・整理されることで、PM・BM業務担当者間の連携が円滑化、業務処理スピードが向上。負担軽減と管理棟数の拡大を両立させることができる。「管理者は煩雑な日常業務から解放され、より収益性や付加価値の向上に時間を割けるようになる。人手不足の解消にもつながる」(代表取締役CEOの大内健太郎氏)。
対象となるビルのタイプは、オフィス、商業、物流、複合施設までをカバー。特にテナント数が多いビルでより高い効果が発揮できるという。
システム導入は容易であり、導入後のユーザビリティにも優れる。物件管理者はテナントの連絡先の記入、館内のルールなどの書類アップロード、館内申請書類のフォーマット登録などの初期設定をするだけで管理業務の大部分をシステマティックに処理できる。一方、テナント側の使い勝手もよく、登録・操作が簡易化され、各テナント担当者のメール登録のみでアカウント発行・業務操作が可能な仕組みが整っている。「既存システムからの移行時に発生しやすい混乱や足並みのズレが生じない点が高く評価されている」(営業開発部の尾﨑渉氏)。
さらに、導入サポートが手厚くユーザーに安心なこともポイント。ラクビルは、単なるシステム開発・提供にとどまらず、サービスを重視し、ユーザーに対してDXコンサルティングに近い伴走体制を整備している。導入前の業務ヒアリングから改善提案までを一貫してサポートし、利用企業の既存業務のブラッシュアップを実現した。こうしたきめ細かな支援は、代表・大内氏の前職(三菱商事)での経験と、クライアントからのフィードバックを基に設計されている。
その他アセット別に特色をみると、商業施設向けでは、売上管理機能を搭載し、既存他社システムより低コストでの導入を可能としている。また、商業テナントが複数社入居する複合ビル向けには、上層階のワーカー向けに販促情報やイベント告知を配信するなど、ワーカー満足度の向上に寄与。テナント・管理者間の調整負担を軽減するなど、各アセット特有の課題に応える構成となっている。
現在、導入棟数は着実に増加、東急コミュニティーや中央日土地ビルマネジメントをはじめとする大手PM・BM会社でも採用が進む。今後はアセット別機能の拡張とともに、就業者向け機能を強化。オフィスワーカーや商業テナント従業員とのコミュニケーションを軸に、施設全体の価値向上を支援する。さらに、複合施設におけるBPO(業務受託)サービスの展開も視野に入れる。たとえば、商業テナントの販促支援やオフィスワーカーとの交流促進など、従来の「ビル管理」を超えた付加価値提供を目指す。
大内氏は「ラクビルTeXは、現場と共に進化するシステム。業務効率化だけでなく、不動産価値の創出を支援する基盤へと成長させたい」と意気込みを語る。
大内健太郎氏(左)
代表取締役 CEO
尾﨑 渉氏(右)
営業開発部