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――VIBROA

“真の”ブランデッドレジデンス
アストン マーティンと共創

【試し読み】

 英国発祥の伝統ある超高級自動車ブランドのアストン マーティンが、南青山で初の日本展開となる邸宅「N°001 Minami Aoyama Designed by Aston Martin」を開発した。
 同プロジェクトの土地の仕入れから商品企画、設計・施工、販売、そして完成後のアフターサービスや資産承継に至るまでを一気通貫で担うのが、不動産デベロッパー「VIBROA(ヴィブロア)」である。アストン マーティンの、年産わずか6,000台前後という少量生産体制を貫き、職人による手作業にこだわるものづくりの哲学と深く共鳴し、同プロジェクトを機に設立された。

N°001 Minami Aoyama Designed by Aston Martin

アストン マーティンを口説き落とした
「熱量」と「構想力」

「アストン マーティンの“ 作品を磨き続ける” という思想と呼応するため、われわれも単なる建物供給者ではなく、価値の保守・進化に継続して関与しなければならない」と語る。吉田氏のバックグラウンドには、銀行・証券・不動産ファンドでの裏打ちがあり、それが現在の事業運営に大きく生かされている。
 
 両者の協業は、VIBROAからの一方的な「ドアノック」に端を発する。アストン マーティンがマイアミでのブランデッドレジデンス事業を成功させたのを受け、日本での展開に関心を示していたタイミングで、吉田氏が構想書を携え直接アプローチ。日本法人からは一度は門前払いされたものの、粘り強く提案を重ねた結果、本社のデザインチームがその熱意とビジョンに共鳴した。「ブランドを利用するのではなく、共に世界観を創り上げようとする姿勢が通じた」と吉田氏は振り返る。

  物件の所在地は南青山。地勢的には傾斜地であり、道路幅も狭く一見難条件だが、吉田氏は「景観・地歴・視線の抜け」を徹底調査し、「眺望設計」という視点からこの地を選定した。地形を読み解き、12mの仮設カメラポールを用いたVR検証を行い、ルーフトップから東京タワー、ミッドタウン、六本木ヒルズ、赤坂御所を望む270度の眺望を実現している。
 
 また、青山はアストン マーティンが日本において最初に拠点を設けた地でもあり、ブランド精神的な「ホーム」とも言える場所だ。この地歴的背景と眺望設計を融合させたことが、同物件の“ 唯一無二性” を裏付けている。

音響設備に、アストンマーティンの自動車に搭載される音響ブランド「Bowers & Wilkins」、キッチンは「Molteni & C(モルテーニ)」を採用。ワインセラーはオリジナルの制作によるもので唯一無二のブランドの世界観を表現。

超富裕層が求める「唯一性」

 販売では、開始当初から注文住宅方式を採用し、顧客との対話を通じて設計・内装を決定。オーナーは数十億~数百億円単位の資産を保有する超富裕層であり、「建築の品質や構造、設備の基本性能は当然として、その上でブランドの世界観・価値体系を体験できる“唯一の空間”を求める」(吉田氏)という。
 施工・内装は、英国本社の研究施設と連携し、素材や配置に至るまで何百時間にも及ぶ検証が行われた。バスタブはJAXSON、照明はFLOSなどを採用。オリジナルのランプシェードは三越伊勢丹プロパティデザインによる制作など、日本の職人技術も随所に活かされている。

 

(続きは本誌で)

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