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――集計・分析/葬祭会館の立地分析

本誌掲載28年間の新設会館
65%がロードサイドに立地

 2022年10月号の特集「会館様式のトレンド変遷」では、1996年11月の本誌創刊時から掲載してきた550か所の新設会館の構造種別や階層、式場数、建築手法など7つの因子について集計し、約半世紀の間に葬祭会館の規模や様式がどう変容してきたかをレポートした。
 本稿は会館集計企画の第2弾として、葬祭会館がどんなところに新設されたか、道路沿いや駅前・駅近などいわゆる「立地特性」に着目して、集計・分析を試みた。前回は「VISUAL RERORT」を中心に集計したが、今回はニュース欄の新設会館情報にまで対象範囲を拡大、1995〜2022年までの28年間にオープンし、立地特性がわかる1,371か所を集計した。月刊誌という性格上、個性的な施設、話題性が高い、ニュースリリースを配信した大手企業の会館など、掲載施設の偏りは否めないが、ある程度の指標にはなると考える。

本誌に掲載した新設会館を
6つの立地特性で分類・集計

 今回の立地特性の集計・分析にあたっては、「市街地・住宅地」「郊外・田園地帯」の2つの自然環境(景観)ファクター、および「ロードサイド」「レールサイド」「インターチェンジ」「火葬場」の4つの立地環境ファクターに着目し、計6つの立地特性で分類・集計した。そのうえで、抽出した全国1,371か所の会館(現存しないものも含む)を、現時点でのインターネット上の地図や画像で確認し、対象となった会館がどのような自然環境や立地環境に建っているのか、その立地特性について精査していった。
 なお、本稿は現在の自然環境や立地環境に基づく分類・集計であるため、必ずしも開設当初の立地特性が反映されているわけではない。高速道路のインターチェンジの新設や火葬場の移転などで後年になって立地特性が変化するだけでなく、開設当初は周囲に建物は疎らだったが、その後、建て込んで市街地化したケースもあるだろう。

月刊フューネラルビジネス7月号
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 まずは、会館の所在する周囲の自然環境で分類すると、全体の78.3%が市街地・住宅地、21.7%が郊外・田園地帯の環境にあることがわかった(図表1)。
 次に、立地環境4因子を単純集計したのが図表2である。2因子以上の立地環境に当てはまる、たとえばロードサイとレールサイドに立地しているときは両方にダブルカウントしている。
 それによると、立地環境としてロードサイドにある施設は全体の65.4%(N=1,903)を占めた。レールサイドには12.7%が、インターチェンジには14.2%が、火葬場立地に該当するのは7.6%だった。
 ロードサイド立地が6割を超えているのは、いうまでもない。残りがレールサイドやインターチェンジ、火葬場立地ということになるが、ロードサイドにないケースとして目立つのが地方のJA会館である。組合員の要望に応えて、幹線道路からやや離れたJA系の施設集積地や駅前一等地に構えていた遊休施設を会館へ転用したと考えられるが、地場の有力事業者として圧倒的な知名度を誇るJA葬祭にとって、一般的には不利といわれる道路環境の弱点はさほど重要ではないのかもしれない。

 

(因子ごとの詳細な分析、クロス集計の結果は本誌で)

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2023年7月号

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