日帰り温泉 スーパー銭湯 健康ランド、都市型温浴、公共施設
本調査分析で用いた集計154施設のサンプル構成は以下のとおり。
開業年代は全国でスーパー銭湯や日帰り温泉の開発が隆盛を極めた2000~2009年が67施設と最も多く、全サンプルの半数近く(44.7%)を占める。次いでふるさと創生資金による温泉掘削後の公共温浴施設の開業ラッシュがあった1990年代オープンが30施設(20.0%)、比較的最近オープンした2010年~2019年が25施設(16.7%)などとなっている。
施設の所在エリアは関東7都県が46施設(29.9%)で最も多く、甲信越・北陸6県が25施設(16.2%)、近畿6府県が22施設(14.3%)などとなっている。
施設タイプ別にみると日帰り温泉が50施設(32.5%)で最も多く、次いでスーパー銭湯が48施設(31.2%)、公共施設が45施設(29.2%)、健康ランドが7施設(4.5%)、都市型温浴が4施設(2.6%)となっている。2000年代に最も開業が多かったスーパー銭湯から、近年は日帰り温泉をはじめとする多様な業態への分散化傾向にあるといえる。
敷地面積と駐車場台数、延床面積の数値の回答がすべて得られたのは85施設。施設タイプ別の平均敷地面積は郊外や観光・リゾート地に立地することが多い日帰り温泉(平均29,150㎡)や地方の公共施設(平均14,643㎡)が大きく、次いで健康ランド(平均12,529㎡)となっている。これらのタイプが余裕のある敷地で開発されているのに対し、住宅地やロードサイド立地のスーパー銭湯(平均6,505㎡)は比較的コンパクトな敷地での展開であり、不動産コストが高く多層階となることが多い都市型温浴(平均2,575㎡)の敷地が最も小さい。
平均延床面積は、中規模で施設数の多いスーパー銭湯と公共施設が2,000㎡強でほぼ同程度であり、大規模温浴施設である健康ランド(平均8,602㎡)や都市型温浴(平均9,558㎡)は4倍以上の規模となっている。なお、日帰り温泉は宿泊施設に付帯または併設の大型施設が含まれるケースがあるため平均4,112㎡と大きくなっている。全業態の平均敷地面積は15,867㎡。
延床面積と駐車場台数の相関をみると、施設規模が大きく収容人数も多い健康ランドは平均600台と多数の駐車場台数を備えている。スーパー銭湯は248台、日帰り温泉は249台と駐車台数はほぼ同等だが、延床面積には約2倍の差がある。公共施設はスーパー銭湯と延床面積は近いが、駐車場は134台と少ない。都市型温浴は45台となっており、車以外のアクセス手段が可能な立地条件と考えられる。全体の平均値は駐車場台数208台、延床面積3,205㎡で、延床面積15.4㎡につき1台の駐車場を備えていることになるが、郊外型立地に限ればスーパー銭湯の延床面積8.5㎡につき1台のバランスがひとつの目安になると考えられる。
延床面積と下足ロッカー数、更衣ロッカー数の数値がすべて得られたのは83施設である。ほぼすべての業態(健康ランドを除く)において男女合計の更衣ロッカー数は下足ロッカー数より少なく、平均すると更衣ロッカー数の1.18倍の下足ロッカー数となっている。男性と女性の更衣ロッカー数は同数の施設が多いものの、男女別の平均更衣ロッカー数は178:185で女性ロッカーが男性ロッカーよりも若干多くなっている。2000年代は温泉や岩盤浴ブームによって女性客比率が高くなる傾向があり、当時は女性ロッカーを多めとする施設の開業があったことが影響していると考えられる。昨今はサウナブームによって男性客が増えるなど、男女客数比率は時代のトレンドによって変化する点に留意する必要がある。
下足ロッカー数は館内の最大同時収容人数とみなすことができ、施設規模が大きく多機能の健康ランドが1,000人を超える大人数を収容可能としているのに対し、スーパー銭湯と公共施設は施設規模が似通っているものの、最大収容人数はスーパー銭湯が平均486人、公共施設284人と大きく異なる。また、日帰り温泉はスーパー銭湯よりも施設面積は大きいものの収容人数は409人と少ない。
一方、下足ロッカー1個当たりの延床面積(最大同時収容人数1人当たり占有面積)を算出すると、都市型温浴が16.29㎡/人で最も広く、次いで日帰り温泉の8.49㎡/人、公共施設の7.97㎡/人、健康ランドの7.43㎡/人となり、スーパー銭湯は4.33㎡/人と最も効率的なスペース活用となっている。1人当たり占有面積と付帯機能の充実度や滞留時間といった施設効率との関係は入館料金の価格差に表われるだろう。
全体の平均値は延床面積3,035㎡、下足ロッカー数428個、更衣ロッカー数363個、1人当たり占有面積7.09㎡/人となっている。