わが国においてスポーツは教育の一環として発展してきた経緯もあり、一部のプロスポーツを除き「みるスポーツ」ではなく、「するスポーツ」に主眼が置かれてきました。そのため従来のアリーナ・体育館は「みるスポーツ」施設としての十分な機能をもたず、また、多くのアリーナ・体育館が公共施設として整備されてきたこともあり、収益性(事業採算性)について考慮されていないのが実情です。
また、公設のアリーナ・体育館のなかには老朽化の問題、市町村合併による施設(機能)集約の課題を抱えている自治体が多くあります。さらにはプロバスケットボールリーグ(Bリーグ)に代表されるように各トップリーグのホームアリーナは将来的に収容人数をはじめとしたレギュレーションを満たす必要があることに加え、近年のエンターテインメント需要の拡大と質的変化を背景に新たなアリーナを求める声も高まっています。
一方で国策として、スポーツ市場規模を2015年の5.5兆円から、2025年までに15兆円に拡大するとの目標が掲げられているなか、スポーツ庁と経済産業省はわが国のスポーツビジネスの戦略的な方針を策定するため「スポーツ未来開拓会議」「スタジアム・アリーナ推進官民連携協議会」を立ち上げ、『スタジアム・アリーナ改革ガイドブック(第2版)』をとりまとめたほか、「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」の選定(2025年度までに20拠点)をはじめとする振興策を推進しています。
本書では、今後求められるアリーナ像を明らかにするとともに、開発・運営のそれぞれの視点からアリーナビジネスの要諦を解説いたします。
1. 市場環境
(1)スポーツ産業の市場動向
(2)ライブエンターテインメント産業の市場動向
2. アリーナビジネスの業界動向
(1)アリーナの施設数の推移
(2)アリーナの類型
(3)近年の開発傾向および特徴
(4)今後のアリーナ開発に求められる役割と課題
1. アリーナ運営の考え方
(1)運営方針の決定
(2)提供サービス&コンテンツの類型・商品化の考え方
(3)商圏および販促の考え方
2. 営業戦略
(1)商品化計画
(2)販売計画・スケジュール
3. 運営計画
(1)人員計画・組織体制
(2)スタッフ教育・人材育成
(3)施設管理・安全対策
(4)コスト管理(商品企画・制作、施設管理・運営等)
4. 事業収支の考え方
1. アリーナの開発計画
(1)立地・マーケット環境
(2)施設計画
(3)施設プランニング
(4)開発スケジュール
2. アリーナの再生・リニューアル計画
(1)リニューアルの前提
(2)リニューアル方針の決定
(3)リニューアル計画の策定
3~4施設(予定)
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