――PM編集部
【試し読み】
2025年のアンケート調査では216社(前年比-17社)から回答を得た。タイプ別の比率は総合型とオフィス中心型がともに約20%、住居中心型が約40%、商業中心型が約13%、物流中心型が約5%の構成となっている。これらの比率は過去数年の間大きく変わっていない。
また、全体の受託総面積は前年から13.0%増、平均受託面積は同16.6%増であり、総じてPM受託状況は安定的に推移しているものとみられる。
2025年の不動産投資市場ではAMの投資運用戦略が「バリューアッド」に強く傾き、PM事業者の運営スキル・ノウハウに大きな期待がかかっている。かかる状況下でPM業界はどのような動向を示しているのか。【抜粋版】では、アセットタイプ別にみたPM会社の受託面積ランキングの上位企業を紹介する。
※1:ザイマックス、ザイマックス関西、ザイマックス九州、ザイマックス北海道、ザイマックス東海の合算
総合型の1位はザイマックスグループ。同社は受託面積をPMとBMの合算値で回答、PM単独での数値を非公表としてきた。そのため、正確性の観点からランキングより除外していたが、今回はPM単独で数値を回答、掲載要件を満たしたことから再びランキングに加えた。
前年1位のシービーアールイーは順位こそ1つ落としたが、受託面積を前年に比べ16.1%伸ばし、初めて1,000万㎡の大台に乗った。両社以外では野村不動産パートナーズ(5位)の22.9%増、大成有楽不動産(17位、図表外)の43.5%増、京阪カインド(21位、図表外)の28.3%増、マリモ(22位、図表外)の64.9%増が目立つ。このうちマリモは、ファンドから複数棟のホテルPMを新規受託したことが成長の主要因となっている。
三井不動産ビルマネジメントが前年比19.4%増と受託面積を伸ばし、前年の2位から1位へと順位を上げている。
そのほか、東京海上日動ファシリティーズ(16位、図表外)は同652.5%増となっているが、これは東京海上グループの保有物件を新たに受託面積へ計上したのが要因である。
上位3社の顔ぶれは前年と同じだが、4位にJPMCが新たに登場、7位に前年戸数非公表のサムティプロパティマネジメントがランクインした。JPMCは賃貸住宅のサブリース事業を中心に住宅型有料老人ホームも手がけている。
コスギ不動産(16位、図表外)は前年比1,649.8%増と大幅に数字を伸ばしているが、前年までファンドなど一部顧客からの受託物件のみ計上していたのを改め、個人を含む全クライアントの受託物件を計上したことによる。
JLLリテールマネジメント(1位)は前年比16.2%増と着実に受託面積を伸ばしているほか、プライムプレイス(3位)は同71.5%増と大幅に受託面積を伸ばしているのが特筆される。
前年8位の相鉄ビルマネジメントは、受託面積のタイプ別割合の関係で総合型に移行したため、商業中心型のランキングから外れている。
ランキングに名を連ねる企業と順位は前年とまったく変わらない。そのなかで5位のESRは前年比14.0%増と受託面積を伸ばしている。同社は物流施設やデータセンターを軸とした投資プレーヤーでもあり、子会社には私募REIT運用会社のESRリートマネジマントを抱える。今後も開発投資と合わせてPM事業規模を拡大させていくことが予想される。
なお日本GLP(1位)の数値は開発中物件を含む数値となっている。
本誌では、アセットタイプごとの受託面積ランキング完全版(上位25~40社)、物件タイプ別の取扱い比率の変動を分析。
ほかにも人員体制や業務管理システムの導入状況、フィー体系からみる各社の業務状況、クライアント数ランキングなどPM事業の成長に有益なデータを多数掲載している。