介護分野におけるICT活用に関して、そもそも同社では3つの軸をもって臨んでいる。「1つめはスタッフの業務が楽になること、2つめはサービスの質を上げること、3つめはスタッフ同士のコミュニケーションの頻度を上げること」と語るのは同社代表取締役社長の神成裕介氏。
その背景にあるのは、今後、介護人材が圧倒的に不足する事態に対する危機感だ。「こうした状況のなかで、人がやらなくてもよい業務は、積極的にICTに肩代わりさせることが不可欠です。ただし、その目的は『人を減らすこと』ではありません。その結果生まれた時間を利用者と向き合うケアに活かしていくことにあります」。テクノロジーの導入は「目的」ではなく、労働環境の改善によりサービスの質を上げていくための「ツール」であるとの認識だ。こうした認識は近年、広く共有されてきているが、なかでも3つめの軸である「スタッフ同士のコミュニケーションを高める」とはどのようなことか。