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縮小・分散トレンドが追い風、2つの新ブランドを急展開

オフィス分散化への回答|野村不動産

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コロナ禍も動揺なし、高稼働の理由

野村不動産は中小規模ビルに入居するテナント企業に向けて、開発・運営サイドからオフィス分散化を強力に支援している。
コロナ禍で企業は拠点縮小、分散の動きを活発化させているが、「驚きはまったくない」と話すのは、都市開発事業本部 ビルディング事業一部 事業一課長の諸田亮氏だ。企業の“ 働き方改革” が加速しただけであり、「かねてから当社が進めてきたオフィスビル開発の方向性とまさに合致する」(同氏)ためである。
同社は主力の中規模ハイグレードオフィスビル「PMO」シリーズを2008年にスタート。1フロア(45〜200坪)・1テナントを基本に、耐震性やセキュリティ面など、中規模サイズで大規模ビル並みの高機能を備えることが特徴だ。20年12月時点で39棟を展開。コロナ禍の悪影響も、「実のところ、ほとんど受けていない」(諸田氏)と打ち明ける。
事業開始以来の平均稼働率は約99%と安定。在宅ワークが進みIT 関連業種の一部に退去はあったものの、逆に大型ビルからの縮小・移転ニーズを取り込み、高稼働を維持している。

H1O渋谷三丁目共用ラウンジ

 画像提供:野村不動産

生産性向上の場が強く求められる時代

拠点分散の動きには、複数ブランドを立ち上げ対応している。コロナ禍に先立つ2019年9月には、「ヒューマンファースト(働く人々のパフォーマンス最大化)」をコンセプトに掲げたサービスオフィスの新ブランド「H1O(エイチワンオー)」を立ち上げた。スタートアップ企業の本社機能から大手企業のサテライトオフィスまで、幅広い需要を想定したもの。
占有のオフィス区画と共用ラウンジを設ける。共用部には、有人のコンシェルジュ、無料のコーヒーマシン、シャワールーム、仮眠室までそろえる。2020年12月の「H1O神田」まで6拠点を開設済み。計画中を含め15拠点の展開を決定済みだ。
2019年10月からは、サテライト型シェアオフィスの「H1T(エイチワンティー)」を展開、拠点数を拡大中である。PMO、H1Oのテナント企業だけでなく、それ以外の幅広い利用者による、外出時の都度利用や郊外でのリモートワークを想定したもの。オープン席(ラウンジ)とボックス席、個人ブース席、会議室が基本構成だ。
利用料金は15分150円(オープン席の場合)から。登録会員は約8万8,000人におよぶ。38拠点を展開済みで、2027年度までに直営150拠点(提携含む300拠点)までの拡大をめざす。
「オフィスは、企業の成長や事業の目的に合わせ、複数の拠点を組み合わせて使う時代になってきた。BCPの観点でも分散化は有効と考える。3つのブランドで、企業ごとに異なる需要やその変化にも柔軟に対応できる」(諸田氏)。

新ブランド開発を積極化、ソフト面強化で体制盤石

新たなブランド開発にも積極的である。2021年6月竣工予定の「PMO EX新大阪」(大阪市淀川区)は、PMOのコンセプトはそのままに、1フロアの分割貸しにも対応する。テナント企業の事業成長・撤退に合わせ、床の拡張・縮小ニーズに細やかに応じる狙いだ。加えて、入居者向けの共用スペースを設置し利便性向上を図る。
新大阪は、地上12階建て、延床面積約9,600平米の規模。PMOシリーズとして大阪初進出となる。「大阪は中小企業の多いエリアだが、ハイグレードの中規模オフィスビルは少なく、今後ニーズは増加すると想定した」(諸田氏)。
取組みはハード面の整備のみならず。先述のH1Oでは、ラウンジやアメニティ充実に加え、スマートフォンでのエレベーター操作などIoT の導入にも注力する。
またPMOシリーズのビルでは、テナント向けに新入社員研修、ヨガレッスン、英会話セミナーなどを実施している。テナント同士の交流促進で新たな事業創出のきっかけをつくる狙いもある。「ユーザーの生産性や創造性を向上させるには、ソフト/ハードにまたがる取組みが不可欠。単なる床貸しではない、野村不動産のファンづくりを目指す」と諸田氏は話した。
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