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――estie

J-REITで導入が加速
ビル運用に必須のツールに

不動産テックのestieが提供する「estie pro(エスティ プロ)」はオフィスビルの建物仕様から、空室状況、賃料動向、入居テナント情報までを網羅した商業用不動産データ分析基盤。
2020年のサービスリニューアル以来、導入企業は大きく増加。不動産デベロッパーをはじめ、最近ではJ-REITやファンドのAM・PM会社、機関投資家などで採用されるケースも増えてきている。特にJ-REIT運用会社では、オフィスに投資する上位20社(AUMベース)の半数以上が導入しているという。情報の鮮度・密度・精度の高さがその成功を左右する投資運用業務において必須ともいうべきツールとなってきたようだ。

全国のビルを検索・分析できるデータプラットフォーム

 estie proが多くの事業者に選ばれている理由は、プラットフォームで取り扱われる情報の「網羅性」と「タイムリー性」にある。網羅性においては、国内主要都市を中心に全国8万棟以上の募集情報を集め、とりわけオフィス市場の中核となる東京都心5区では90%以上をカバーする。その情報は大手デベロッパーや仲介会社などの提携会社から収集したオリジナルなもの。これらはすべて日次ベースで更新され鮮度は極めて高い。
 AM業務に使い勝手のよい操作性もestie proが選ばれる大きな理由のひとつ。主な機能は、マーケットデータの「検索」「分析」の2つで、検索機能ではエリア(都道府県・市区町村・駅単位)、建物情報(物件名・延床面積・基準階面積・竣工年)などの細かい条件設定からビルを検索抽出できる。抽出したビル群はもちろんリスト化でき、PDFやExcelで出力が可能。また、分析機能では、任意の条件で抽出したビル群について、空室率や募集賃料水準を時系列でグラフ化できる。

estie proで出力した競合物件リスト

抽出した競合物件の個別情報(建物スペック、募集賃料、募集面積、入居テナント)をリスト化できる

業務時間を削減、情報収集を高度化

 これら2つの機能がAM会社の「物件取得検討」「期中運用」「IR」部門でどう活用されているか具体的に見ていこう。
 特に業務時間削減効果が高く好評なのが物件取得部門である。たとえば投資検討先ビルの競合ビルを選定・分析する場合、従来は個別ビル単位に目視でピックアップし半ば手作りでリスト化するのが通常だったところ、作業の手間と時間が大幅カットできたという。また分析によってオフィス市況の履歴、現況、予測をすぐさま数値化・グラフ化することが可能となり、取得の可否判断精度が一気に向上したという。
 また運用部門でも情報収集が高度化されることで導入効果が大きい。具体的には賃料設定を行うためのPM会社へのヒアリングにおいて、競合物件の賃料や空室など基礎データが事前に揃えば、さらに深い情報がスムーズに得られる。ヒアリングで得た情報もデータベース化可能で、estie pro上のビル情報に担当者が独自に得た情報を追加し社内に共有できる。加えてリスト化されたビルのテナント募集動向に変化が見られた際、即座に担当者へ通知される機能が好評である。
 IR部門では、投資・運用環境の説明に説得力をもたせるうえで有用だという。たとえば「なぜこの物件を取得/売却したのか」を説明する際、特定エリアを絞り込んだ細やかな市場分析を説明できるため、より投資家の理解が得やすくなったという。
 今後はさらなるサービス利便性のため、テナントの業種分析機能や、複数の分析結果を簡単に比較できる機能を付加したいとする。加えて、物流などの他アセットを対象にしたサービス展開も進めていく予定としている。

導入したAM会社の声

情報量と操作性が魅力、リサーチ力の底上げにも寄与
――ケネディクス不動産投資顧問 

 ケネディクスグループは、従来型の不動産ファンド運用に加え、クラウドファンディングや公募による不動産セキュリティ・トークンの組成などデジタル技術を活用した事業領域に積極的に取り組んでいます。ケネディクス不動産投資顧問においても、REIT運用における新たな価値創出のためにはデジタル活用が不可欠と考えている中で、estie pro導入に至りました。
 導入の決め手は、オフィス物件に関するデータの網羅性と質の高さです。全国のテナント募集情報が随時更新されており、物件取得検討およびリーシング戦略策定などでの業務活用が十分期待できました。
 導入から約2か月が経過したばかりですが、想定より早く業務活用が進んでいます。現場担当者からは、ユーザーインターフェースが優れており、検索・分析などの各種機能の操作が直感的にわかりやすいことに加え、estie社のフォロー体制も手厚いとの声が挙がっています。
 加えて、担当者の情報収集力の全体的底上げにも寄与しています。これまで不動産に関する各種情報については、誰もが容易にアクセスできる十分なデータベースがなく、情報収集の観点で多くの部分を担当者個人の経験や人脈に依存していました。estie proの活用で、利用している複数部署の担当者が、経験年数にかかわらず同じ情報にアクセスできるようになり、業務効率化だけではなく運用会社としてのリサーチ力の底上げにもつながると実感しております。
 今後は、当社がestie proを活用して価値を創出する、そしてestieproのデータベースや機能がさらに充実する、この循環が作られることで不動産バリューチェーンにおける価値創出のハブ機能を担っていくことを期待しています。
(取締役 最高業務執行者 オフィス・リート本部長 桃井洋聡氏)

情報収集業務を効率化、投資家とのコミュニケーションにも有用
――積水ハウス・アセットマネジメント

 資産運用業務を受託している「積水ハウス・リート投資法人」において、投資、オフィスビルの運用、ポートフォリオ管理やIRなどの業務で活用しています。
 われわれがestie proを高く評価する点は情報の即時性です。オフィスビルの基礎データとマーケットの情報をタイムリーに入手できるため、情報収集の効率化に寄与しています。
 オフィスビルに関するデータは点在しており、これまで情報収集には膨大な時間と労力をかける必要がありました。estie proの活用で情報を集約化し、業務が効率化されたぶん、データ分析や投資・運用方針を検討する時間にあてることが出来るようになってきています。
 加えて、社内外での打ち合わせの場面でも効果を発揮しています。たとえばIRでは、投資家から賃料相場やダウンタイムなどを尋ねられた際に、タイムリーに状況を説明することができるようになりました。さらに、各業務の担当者が変更になった場合でも、スムーズに打ち合わせ対応が可能です。estie proを活用すれば担当物件周辺エリアの賃料相場などを即時に把握することができるためです。
 今後は、マーケット分析機能の拡充に期待しています。システムを使用する部門や担当者ごとに必要な情報は異なります。面積別のダウンタイムの違いや、エリアごとのコロナ前後の変化などの分析結果をアウトプットできる機能があれば、より戦略立案に役立てられると考えます。estie proは、不動産業界の発展に寄与する仕組みを提供するユニークなサービスであり、今後の更なる展開に期待しています。
(投資運用本部長 竹内禎聡氏)

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