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シャトレーゼホールディングス

取得したホテルをリブランドして再生
「シャトレーゼ」方式で価格以上の価値を提供

企業レポート

23年12月に西日本初、11か所目となるホテルを取得

 菓子製造・販売業の㈱シャトレーゼ(2010年に持株会社に移行して㈱シャトレーゼホールディングスに商号変更し、分割会社として㈱シャトレーゼを設立)は、2024年に創業70周年を迎える。今年1月に国内外合わせて1000店舗目(うち海外180店舗)となる横浜鴨居店を開業し、20年3月時点の600店舗から4年足らずで大台に達するなど、コロナ禍中でも規模を拡大してきた。
<中略>

 同社は2000年代に入ると、本業の拡大と並行してレジャー・リゾート事業へ進出し、事業の多角化を推し進める。異業種への参入は、経営が厳しくなった施設を買い取り、再生を図るという形で行なわれ、現在もその手法は変わらない。ただし積極的に買収をはたらきかけるのではなく、基本的には相談が持ち込まれたなかで再生可能と見込まれる物件を取得し、必要なところに手を加えたり、新たな機能等を導入して再スタートする。24年2月10日現在、同社傘下のレジャー・リゾート施設は、ゴルフ場20(うちオーストラリア2)、スキー場2、ワイナリー2などで、ホテルについては、23年12月に株式を取得した「唐津シーサイドホテル」(佐賀県唐津市)が11か所目となった。ホテル事業もコロナ禍の20年代に入って展開が加速。同社にホテル再生の案件が相次いで持ち込まれたのは、「シャトレーゼ」のビジネスモデルを採り入れた、独自性の高いリブランド力が高く評価されているからといえる。

製造業のノウハウで利益率を高め「手の届くプレミアム」を提供

<中略>
 同社のレジャー・リゾート施設を運営する㈱シャトレーゼリゾート八ヶ岳代表取締役の古屋竜二氏は、「シャトレーゼが手がけるホテルでお菓子をどのように使うのか楽しみにされると思いますが、お客さまの想像を超えるサービスの提供を心がけています」という。菓子づくりの場を組み込んだホテルもある。菓子製造の現場は既存顧客に驚きをもって迎えられるばかりでなく収益性の向上につながっており、「シャトレーゼホテル石和」に設置されたバウムクーヘン工房は年間1億円を売り上げる。他のホテルにはない「シャトレーゼ」の商品が大きな魅力であり差別化要因となる。

 「幅広い顧客層に対応した独自のコンテンツでバリューアップを図ることから、ホテルには『シャトレーゼ』の要素を入れる〝余白〞が必要」(古屋氏)といい、遊休スペースの有無や空間の用途変更の可否は、ホテル取得に際して重要なチェックポイントになる。シャトレーゼのホテルの魅力は菓子だけではない。同社の成長の源泉である「価格競争力」をホテル事業にも応用し、同価値のものであれば他社より3割安く販売するという本業のスタンスをホテルでも貫く。たとえば、高級食材などは年間使用量を担保したうえで生産者から直接仕入れるなどの工夫を積み上げ、3割安を実現する。「利益率の高い製造業の仕組みと組み合わせて、労働集約型であるホテル業の利益率を高める戦略を進める一方、商品のクオリティに対して3割安い『手の届くプレミアム』を提供」(古屋氏)する。
<続きは本誌にて>

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