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特化型ポータルサイトに蓄積した豊富なデータを武器に
グランピング施設の集客・企画・開発・運営を支援

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坂根正生氏
潟uッキングリゾート 代表取締役

潟uッキングリゾートは、グランピング特化型ポータルサイト「リゾートグランピングドットコム」と、施設ごとの専用予約サイトを駆使したマーケティングサービスを展開している。同社代表取締役の坂根正生氏に、事業者向け集客支援・プロデュース事業の現状と展望についてうかがった。

開発から集客まで、トータルで受託する案件が急増

――サイト運営の状況はいかがでしょうか。
坂根  「リゾートグランピングドットコム」の掲載件数は、2021年末の時点で88施設、うち公式サイトの管理まですべて任せていただいているのが60施設、ポータルサイト的な使われ方をされているものが28施設となっています。年間取扱高については、21年12月までの実績と22年1〜3月の予測も含め約40億円、決算月である4月まで入れれば43億円を超えるでしょう。現在、掲載数が激増しており、22年5月〜23年4月期の取扱高は90億〜100億円を見込んでいます。
 私たちが開業支援を行ない、掲載準備中のグランピング施設――これは公式サイトの管理まで含め集客のすべてを任せていただく案件です――は、グループ会社の鰍ノしがきの20施設を含めて約100施設となっています。つまり、グランピング施設はこの22、23年の2年間で確実に100か所以上ふえるということです。したがってグランピングの市場規模はこれからも拡大していくといえるでしょう。
ブッキングリゾートが運営するグランピング予約サイト「リゾートグランピングドットコム」
――貴社のサービスが多くの事業者に採用される理由は。
坂根  私たちのマーケティングサービスは、イニシャルコスト不要で予約獲得の10%を手数料としていただく形のため、事業者さんにとって入りやすい条件ということがあるかと思います。
 さらに、大手OTAではグランピング施設は埋もれてしまいがちなのですが、私たちは「施設を見つけてもらう機能」を充実させています。いまふえている公式サイトまですべて任せていただいている施設さんのほとんどは、そこを評価していただいているのではないかと思います。
――どのような相談がありますか。
坂根  相談をもち込まれるケースとしては、大きく2つのパターンがあります。1つめは、つくりたい施設のイメージはあるが都市計画法、建築基準法、旅館業法などといった法律関係や行政対応の知識がなく「何から手をつけてよいかわからない」というパターンです。2つめは、そうした問題はパスして着工できそうなところまで進んだ状態にはあるものの、事業計画に不安があるというパターンです。
 後者で言うと、たとえばバーベキューは雨が降っても、寒い時期でもできるように対策しなければ売上げは向上しませんが、その対策を計画に入れていないお客さまがかなり多いのです。そこで私たちは「冬季の稼動率を20〜30%で計算されていますが、このままではゼロになりますよ」と、計画の甘い点を修正していきます。
 客室面積が狭く、2人定員の部屋ばかりという計画案もときおり見かけます。グランピングはグループ客を掴む必要がありますから、そうした場合は客室定員をふやすアドバイスをさせていただきます。
 また、せっかく広い敷地があっても、法令上の制限などで宿泊棟の数をふやせないような場合は、ドッグランを設けて愛犬家への訴求と差別化をお勧めすることもあります。
 こうした施設全体の売上げ向上を図る、企画面からお手伝いさせていただく案件が増加しています。
――コンサルティングフィーに関してはどのようなシステムですか。
坂根  私たちのアドバイスを受け入れて実行していただければ、自ずと稼動率や売上げは向上し、それはそのまま私たちの集客手数料に跳ね返ってきますから、現地調査の費用やコンサルティングフィーはいただいていません。
 こうしたアドバイス、コンサルティングができるのは、私たちが「リゾートグランピングドットコム」を通して蓄積してきた販売データを保有しているからです。「私たちはこう判断します」ではなく「データがこう示しています」と言えるのは、豊富な販売データをもつ者だけの強みとの自負があります。
 最近は、こうしたデータやノウハウを活用し、クライアントから持ち込まれるグランピング事業について、協力会社や共同事業者を提案し座組みをつくるビジネスマッチング的な役割を果たす機会もふえてきています。
関西・東海・九州エリアに展開しているTVCM。22年度は予算と放映エリアを拡大する

コンセプト別にグランピングのプロトタイプを立案

――22年以降、注力するポイントは。
坂根  まず、多くのグランピング施設の開発が続きますから、PR展開に力を入れていく考えです。現状、テレビCMは年間7000万円弱の予算で関西・東海・九州エリアに展開していますが、これを関東・中国エリアに広げます。来期は広告予算全体で3億円前後になる見通しです。
 インフルエンサーマーケティングも強化します。膨大なフォロワー数を誇る有名人ではなく、数は少なくても旅行やアウトドアの嗜好に合うインフルエンサーを千人単位でさまざまな施設に派遣し、認知度を高めていくつもりです。
 また、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入により、平日の利用履歴をもつ客層や団体客など、稼動率の改善に有効なユーザーへのフォロー策を充実させることにも注力していこうと考えています。
――今後の目標をお聞かせください。
坂根  数字的には、23年4月までの1年間で年間取扱高100億円を、個別の事業としては、ブッキングリゾート直営として先進的なグランピングのプロトタイプを形にしていきたいと考えています。
 たとえば、愛犬に特化した施設をさらに深掘りしたもの、インバウンド対応に強い施設などを試験的に関東圏・関西圏にオープンします。
 特に、移動手段がほぼマイカーという特性から、グランピングと相性がいい愛犬家向けについては、専用メディアの立ち上げや用品メーカーとのコラボレーションなど、より愛犬家に支持されるよう注力していきます。
 私たちは「リゾートグランピングドットコム」を軸としたマーケティングサービス、施設全体の売上げを上げる企画やビジネスマッチング事業、そして直営での先進的なモデル事業と、今後も業容を拡大しています。そして、近い将来、可能ならば24年ないし25年には株式上場を果たすことを視野に入れて臨んでいく方針です。
犬と泊まれる施設に特化した予約サイト「ドッグリゾート」
[プロフィール]
坂根 正生(さかね まさき)
2008年専門学校を卒業。同年父親の急死により20歳で家業である縫製会社を継ぐ。約2年で負債を返済した後、会社を閉鎖する。11年、鰍ノしがきに入社、13年に大阪にてブッキングリゾートを設立、マリントピアリゾートの集客業務と並行しながらBtoB事業を開始。19年より集客支援事業開始、約3年で急成長を実現し現在に至る。
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