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新たな事業モデル「URBAN CAMP HOTEL」を通じて
公園やキャンプ場の集客・収益向上に貢献

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    潟fジサーフは昨年7月にオープンした「SENNAN LONG PARK」のグランピング施設、バーベキュー施設、大型アスレチックなどを担当した企業である。稼働率好調なグランピング施設「URBAN CAMP HOTEL Marble Beach」の動向とともに、高稼働を維持する施設づくり・運営について代表取締役社長高橋佳伸氏に伺った。
  • 潟fジサーフ
              代表取締役社長 高橋佳伸氏

通年稼動を考えたグランピング施設のあり方とは

――泉南りんくう公園の「URBAN CAMP HOTEL Marble Beach(アーバンキャンプホテル マーブルビーチ)」は好調のようですね。
URBAN CAMP HOTEL Marble Beach
「URBAN CAMP HOTEL Marble Beach」俯瞰

トレーラーハウスを活用した「URBAN CAMP HOTEL Marble Beach」
高橋 バーベキュー施設も好調ですが、アーバンキャンプホテルは開業から11月までの稼動率が95%以上と高い数字をキープしています。
 昨今、数多くできているグランピング施設がこのままでよいのかと言ったら疑問です。なぜなら、グランピングの定義が曖昧ななかで、他施設のWebサイトをみるとテント内にベッドやお洒落な家具を入れただけ、というのが少なくありません。バーベキューができるにしても、雨天時や冬場の寒さ対策をしっかりと考えねば、通年の集客が苦戦するのではないでしょうか。
 そもそも、当社がターゲットとしているのは本格的なキャンプをしたい人ではなく、都会暮らしで感度の高い若者層からファミリー層、特に女性層が中心です。そして、シニア層まで含めた3世代が集い、「安全で快適に上質なリゾートを手軽に体験できる場を提供する」ことをグランピング事業のミッションとしています。都市型バーベキュー場を運営してきたノウハウを活かし、都市近郊における独自のグランピング市場を創造し、拡大していく方針です。

――アーバンキャンプホテルという、新たなジャンルの創出におけるこだわりのポイントとは。
高橋 宿泊スペースと一体感のあるアウトドアリビングがある点です。泉南りんくう公園では、トレーラーハウスを活用し、20棟の独立型ヴィラ形式のアーバンキャンプホテルを展開しています。パティオを活用してアウトドアリビングを体現し、客室と一体感あるラグジュアリーな空間を演出しました。アウトドアダイニング・キッチンがありバーベキューグリルや専用ジャグジーも設置しています。

――実際、女性客の利用が多いと伺いましたが、その秘訣とは。
高橋 施設づくりにおいて、「インスタ映え」は常に考えています。SNSはいまや欠かすことができない有効なプロモーション戦略と位置づけています。
カラフルな客室は女子に大人気
――昨春、緊急事態宣言が出た際には、貴社のバーベキュー場も営業を休止していましたが、解除後の動向は。
高橋 感染症対策を実施しながら営業を再開し、東京・豊洲の「THE BBQ BEACH in TOYOSU」(約1000席)は昨年8月に9000万円を売り上げるなど好調でしたが百貨店などは席数を半分に減らす、営業時間の短縮といった要請がありましたので約63%~70%の稼動率です。グランピング施設のコンサルも手がけていますが、このようにグランピングで重要なバーベキューなどは運営を知る当社に任せていただけると、このノウハウが活きると思います。

グランピング用PMSを独自開発無償で提供を開始

  
一体感あるアウトドアリビング
――泉南りんくう公園のように、公民連携事業における貴社の強みとは。
高橋 泉南りんくう公園のキャンプホテルを実際に見ていただき、多くの自治体からお話がきております。同施設をモデルに、さらに改良を重ねたトレーラーハウス活用型「キャンプホテル事業」を積極的に推進してまいります。公園という誰でも入れる場所や、気象変動において、テントやドームには限界があると思います。
 さまざまな公民連携事業を企画や設計段階からプロデュースしたいと考えています。いままで培ってきたノウハウを活かしコンサルティングをはじめ、グランピングトレーラーハウスの販売・レンタル、運営まで、あらゆるケースに対応していきます。
グランピング用に使い勝手のよいPMSも当社で独自に開発しました。主な機能は、@デイユースによる2回転以上の部屋割り管理、Aリモートロックなどによるチェックイン機能(マイページにパスワードを表示)、Bポータルへの商品登録でPMS、レジアプリまでの商品マスタ連携、C外国人スタッフでも対応できる多言語対応、D顔認証による受付(バーベキュー向け)、E他社サイトコントローラーと連携、などです。こうした機能を搭載したグランピング用PMSを他社にも無償で提供し、幅広く業界で浸透させていきたいと考えています。
PMSのイメージ図
当社では、「デジキュー」という全国バーベキュー場の検索ポータルサイトを運営していますが、グランピング施設を含め、さらに拡充していきます。たとえば、@多言語対応、Aマルチカレンシー(外国でのネット決済に対応)、Bバーベキュー(日帰り)、キャンプ(宿泊)、アクティビティ、スポーツの施設掲載と予約、Cモバイルオーダー(スマートフォンで注文&決済)、D複数ゾーン(席や部屋)をまとめて予約でき、ゾーンごとのプラン設定可能、E当日支払い商品、事前支払い商品ごとに決済可能、F荒天による営業中止時の本決済停止機能など、多様なサービスを順次展開し、ポータルサイトへの掲載料、送客料は無料(決済を伴う場合は決済手数料の実費のみ)で提供します。
――まさにプラットフォーマーを標榜する貴社ならではの展開ですね。トレーラーハウス活用による移動可能な浄化槽開発も進んでいると伺いました。
高橋 遊休地や公園活用の社会背景として、たとえば「グランピング用トレーラーハウス」を公園などに設置した場合でも下水道工事が不要です。有事の際のトイレや仮設住宅として柔軟に対応できることが求められております。当社では、SDGsの6番目の目標でもある「安全な水とトイレを世界中に」という課題解決に向け、「完全汚水浄化型モバイルバイオユニット」を製品化し、「キャンプホテル」事業と一緒に展開してまいります。
――本日はありがとうございました

プロフィール

高橋 佳伸(たかはし よしのぶ)
潟fジサーフ 代表取締役社長

IT系企業に入社後、すぐにトップエンジニアとなり数々の表彰をうけ、24歳で独立・起業する。30歳でセミリタイアを決断。セミリタイア中に考案した海岸ライブカメラを使ったビジネスモデルが湘南ニュービジネスコンテストで優秀賞を受賞。また、イベント受付サイト「デジエントリ」を構築。その後、協業スタイルの事業展開に方向転換。現在、バーベキュープラットフォームサービス「デジキュー」など、さまざまな事業を展開中。
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