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グランピングは「新しいリゾートの形」
本質を追求しながら多様なシーンを提案

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    グランピングジャパン(株)は、世界のグランピング情報の発信のほか、テントなどの輸入・販売、また施設のプロデュースや運営を手がけている。
    同社代表取締役 CEOの岩井洋司氏に、今後の市場の見通しや同社の取組み、目指しているグランピングのあり方などについて伺った。
  • グランピングジャパン 代表取締役 岩井洋司氏
       グランピングジャパン 代表取締役 CEO 岩井洋司氏

施設そのものが旅行目的。テーマパークのように企画する

――まず、貴社のこれまでの事業展開についてご紹介ください。
岩井 グランピングとの関わりは、2014年、当時まだ日本に上陸していなかったグランピングの魅力を、Webサイトで発信しはじめたのがきっかけです。世界各国のグランピングを視察するなかで商材としてのテントにも魅力を感じ、15年ごろから輸入販売とレンタルを開始しました。
 そのころから日本でもグランピングというキーワードが認知されはじめ、シーンの拡大に伴ってわれわれも事業展開に注力してきました。代表的なベル型、ドーム型のほか、多様なテントを扱っていますし、湿気、台風、降雪など日本の気候にも耐えられるよう、輸入テントに独自のアップデートも重ねてきました。
 グランピング施設は、ホテルとは運営が異なることから、施設のプロデュースや運営に関するご相談もふえています。われわれとしても、グランピングの本質を追求したいと考え、運営事業も開始しています。
GLAMPROOK 飯綱高原
「GLAMPROOK 飯綱高原」はパターゴルフ場を転用
――企画や運営に携わるうえで、どのようなことを意識していますか。
岩井 「グラマラスキャンピング」ということで、手ぶらでできるおしゃれなキャンプとして世の中に広まりましたが、われわれは、グランピングはまったく新しいリゾートの形と考えています。たとえば、グランピングでバーベキューが定番なのは日本式で、世界ではレストランで食事をして、その土地をゆったり何泊も楽しんでいただくというスタイルです。20年6月に開業した「GLAMPROOK(グランルーク)飯綱高原」(長野県飯綱町)も、その点を意識して企画、運営を行なっています。
 また地域との連携も大切だと考えており、その場所の特徴を活かし、地域の観光名所となることを目指して企画しています。20年7月に開業した瀬戸内海国立公園内の馬島にある「GLAMPROOK しまなみ」(愛媛県今治市)も、沖縄県の伊江島で11月に開業した1棟のみの「THE FORCE〜Iejima Beach Glamping〜」も、地域や行政の方々と一緒につくり上げているものです。21年も春から夏にかけてオープン予定のプロジェクトがいくつか進んでいます。
  
「GLAMPROOK しまなみ」のコクーンテント
――貴社の運営施設ではサービスも充実していますが、ホテルとグランピング施設の違いとは。
岩井 ホテルは、いろいろな観光地を回って泊まるために利用されることが多く、ホテル以外で食事をする方もいるなど、宿泊がメインの施設です。
 それに対してグランピングは、泊まることよりグランピング施設に行くこと自体が旅行の目的です。ですから、一つのテーマパークをつくるようなイメージで、お客さまのもてなし方を考える必要があると思います。
――それがグランピングのあるべき姿ということでしょうか。
岩井 われわれの経験から、そういうグランピングを体験していただきたいと思っていますし、行きたいと思っていただけるようなものをつくっているつもりです。ただ「これがグランピングだ」というものが明確にあるわけではないので、これからも試行錯誤しながら、よりよいものにしていきたいと思っています。

市場は今後も拡大。定着に向け啓発にも取り組む

  
「THE FORCE」ではANAセールス鰍ニ提携
――グランピングには、宿泊以外のニーズもあるようですね。
岩井 そうですね。日本でグランピングがはじまったころは、商業施設などで、グランピングをテーマとするイベントが多く開催されました。18年ごろからは、宿泊だけでなく、テントの空間などを使って楽しむというニーズもふえてきているように思います。
 現在は三密を防ぐという観点からも、屋外で楽しむためにホテルやレストラン、商業施設からの問合せがふえています。家族など少人数での食事がふえていると思うので、そこにテントは合っているのかもしれません。
――今後のグランピング市場について、どのようにみていらっしゃいますか。
岩井 まず、日本の法規制がグランピングをどう位置づけるかによって、状況はかなり変わるのではないでしょうか。グランピングの実態に即したルールができると、新たな発想も出てきやすいと思います。
 現在の日本のグランピング施設の数は、当社独自の定義に基づいた調査によると、150施設ぐらいです。グランピングがはじまった当初は、比較的中小事業者が中心でしたが、徐々に大手の参入もふえ、市場はまだまだ拡大するとみています。おそらく今年もさらに50施設程度ふえると思います。
 人口が日本の半分ぐらいのイギリスでも、2500施設ほどありますから、日本の市場はまだ飽和しないと考えていいでしょう。しっかりした施設をつくれば、勝機はあると思いますし、シーンも拡大すると思います。

――市場が広がるなかで、貴社はこれからどのようなことに取り組んでいかれますか。
岩井 施設運営においては、飯綱高原で日本初のツインドームテントを採用したり、伊江島では1日1組限定としたように、グランピングの本質をおさえつつ、自然の地形や多様な条件を活かすチャレンジをしていきたいと考えています。
 また民間施設だけでなく、たとえば市民の憩いの場である公園にグランピングのもつ力や考え方を採り入れるなど、地域の活性化もお手伝いしたいと思っています。
――貴社の最大の強みとは。
岩井 当社は、グランピングの歴史や海外の事例などに詳しく、また経営面やマーケットリサーチ、運営に関する知見も蓄積しており、グランピングに取り組みたい方に、まず「どういうものか」からお伝えすることができます。またテントなどのアイテムを豊富に扱っており、日本にないものも含めてご提案できるので、その土地に合うもので魅力的な演出をすることが可能です。グランピング事業について、ゼロから10までお手伝いできるのは当社の最大の強みと自負しています。
 われわれは、グランピングが一過性のブームではなく、リゾートの新しい形として日本に定着することを願っています。ワークショップの開催など、社会的な活動もしながら、望ましい形で根づいていくように力を注いでいきたいと思っています。
――本日はありがとうございました。

プロフィール

岩井洋司(いわい ひろし)
グランピングジャパン 代表取締役 CEO

2014年よりグランピング事業をはじめる。イギリスのグランピングビジネスマガジンでアジア初のグランピングサプライヤーとして紹介され日本のグランピングシーンにイノベーションを起こす。20年11月に沖縄の伊江島にてTHE FORCEをディレクション、また台湾においてはグランピングウエディングをプロデュースするなど国内外で活躍の場を広げている。
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