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夏季イベントの集客実態2020/過去2年分集客数

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海水浴/開設率は59.4%。浜辺を利用した新たな取組みも

 海上保安庁の調査(2020年7月16日時点)によると、全国の海水浴場1,156か所のうちオープンしたのは(開設の検討も含む)687か所と、開設率は59.4%にとどまっている。
 開設した砂浜のコロナ対策の例として、たとえば静岡県「熱海サンビーチ」では海岸への入口2か所に人の出入りを認識するAIカメラを設置し、Webサイトで1時間おきに混雑状況を配信した。
 例外的にコロナ渦の影響を受けなかったのが和歌山県「片男波海水浴場」だ。新型コロナ対策としてロッカー室・シャワー室を閉鎖し、海の家や売店をクローズしたにもかかわらず来浜者数は前年比99.2%。その8割が大阪や兵庫など、地元で泳げない他県からの利用客だった。開設を見送った周辺海水浴場の利用者が、開設した海水浴場に流れて例年より多くの入込数を記録している例も見られた。

花火大会/コロナ禍での中止による経済損失は1兆0,400億円超

  今年は、東京オリンピック・パラリンピックと開催日が重なる大会は警備の人員確保がむずかしく、(公財)日本オリンピック委員会からの要請もあり、一部は当初から中止・日程変更をしていた。しかしそうした前提を踏まえても、コロナ禍による打撃は大きく、鞄本経済研究所の試算によればコロナ禍を要因に中止した全国の花火大会は約850件、観光需要を含めた経済損失は1兆0,400億円超にものぼる。
 こうしたなか、「熱海海上花火大会」(静岡県熱海市)は打上げ時間を従来の30分から15分に短縮したうえで8月から打上げを再開した。「わずか15分のために外出するのは面倒」((一社)熱海観光協会 担当者)という心理で密を避ける狙いだ。そのほか大会そのものは中止となったが、サプライズでゲリラ的に花火を打ち上げるものや、花火事業者支援のためのクラウドファンディング、「死者の魂の慰霊と疫病退散を祈願するイベント」としての花火の本来の意味を見直す動きも活発化した。

夏祭り/オンライン開催が活発化。文化継承に向けた取組みも

 新型コロナウイルスは日本の夏祭りにも大きなインパクトを与えた。長い歴史をもつ福岡「博多祇園山笠」、大阪「岸和田だんじり祭」は、太平洋戦争による中止以来、戦後はじめて神賑行事の中止を決めた。さらに京都「祇園祭」に至っては応仁の乱の33年間、本能寺の変(1582年)、明治のコレラ流行期の3回、そして太平洋戦争期に続く5回目の中止となった。ただし、伝統的な祭りでは神輿や山車、行列などは取りやめても神事だけは斎行されている。そもそも前出の「祇園祭」や「博多祇園山笠」の起源は疫病退散にある。
 一方で、お面や草履をはじめとした製造業者、露天商など、祭りに関連した事業者は春から秋にかけての祭り需要が年間の収入の大半を占めることが多く、売上げに大きく影響を受けていることも事実だ。「星野リゾート界 箱根」では、夏祭り中止により需要を失った小田原提灯店と連携し、2021年2月から8月までロビーに約100灯の提灯を装飾するほか、客室でできる絵付け体験(1灯1,800円)も販売する。
 そのほか、祭りをオンライン上で開催し、収益化を狙う事例も見られた。
(各ジャンル上位30位の18年・19年集客数と、20年のコロナ対応は本誌にて)
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