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――且木葬研究会 代表取締役 長谷川剛氏

1次情報をもつ葬儀社の強みを活かした
埋葬事業=樹木葬を事業化することの意義

  • 樹木葬
  • 埋葬手法

葬儀規模の小型化、単価減少の補填策

 数年前からの葬儀単価減少は、今回のコロナ禍によってさらに「葬儀規模の小型化」に拍車がかかり、「火葬のみ」の依頼が全国各地で増加傾向にあります。
 葬儀社の売上構成比をみると、葬儀施行90%、アフター部門10%という会社が全国的には多いと思われます。葬儀売上げ=単価×件数であり、この単価の下落が葬儀売上げの減少につながっている構造です。こうした葬儀社は、葬儀施行以外の収益軸がないのが「弱点」ともいえます。したがって、今回のコロナ禍で大きなダメージを被っているところが多いといえるでしょう。
 つまり、売上維持には単価が減少したぶんは件数をふやすしか手立てがない状況ではないでしょうか。葬儀社は、何より1次情報をつかんでいるので、それを活かし、さらに事業の柱の1つに成長させるためにも「顧客情報を活かした埋葬供養のワンストップサービス」の構築が必須と考えます。
 現状、葬儀施行とアフター部門の9:1という収益構造を、8:2、もしくは7:3にすることができれば、相乗効果が発揮され安定化につながると考えられます。そこで筆者は「樹木葬の事業化」を各所で提案しております。樹木葬を事業化できれば、事前相談(葬儀相談)者に指定埋葬場所がなければ、樹木葬の生前販売を提案することができ、会員化も促進しさらに強固な形(関係性)にできると考えられるからです。
 筆者は千葉県館山市で葬儀社ヤマト佛商を経営しております。そのアフター部門比率は約30 %(墓石部門14%、樹木葬9%、法事その他7 %)を占め、今後はここをさらに厚くし安定化を図る予定です。現在でも葬儀施行顧客で指定埋葬場所のない方へ「樹木葬」を紹介することは、競合にはない商材のため成約率や利益率は非常に高くなっております。

(1)商圏拡大のための樹木葬展開

@既存葬祭会館商圏内への樹木葬の開設
 葬儀社が最初に樹木葬を事業化しようとする際、まずは自社会館の商圏内に開設すべきです。最寄り駅や市役所などが商圏外にある場合は、商圏内でそれらに近いエリアに開設するといいでしょう(図表1)。
 自社商圏内でいちばん強いエリア、そして好立地な場所での展開は、認知度も早く広告媒体を活用しなくても販売が可能となります(図表2)。
 次に、すでに樹木葬を展開しており、違うエリアに開設を考える場合、自社葬祭会館の新規出店エリアに開設することも有効です(図表3)。図表1、2では自社葬祭会館の商圏内での開設でしたが、これは自社商圏からはずれるものの、新規出店会館の商圏内であれば、先に樹木葬を販売し、その顧客を葬儀の会員にすることで、将来見込み客の確保につながります。
A火葬式+合祀のセット提案などが可能
 樹木葬の展開により、樹木葬購入者の会員化による葬儀顧客囲い込み、合祀を引用した生活保護者葬儀営業の提案または社会福祉法人への葬儀+埋葬供養セット提案が可能になります。何よりライバルの葬儀社には不可能な営業活動が可能となります。

B葬祭会館のドミナント展開と樹木葬墓地の ドミナント展開
 葬祭会館が複数ある場合は、複数拠点の中心にあたるエリアに樹木葬を展開すべきです(図表4)。
 (事業化の留意点や設計のポイント、ケーススタディは本誌にて)

執筆者プロフィール

長谷川 剛
且木葬研究会代表取締役
潟с}ト佛商代表取締役
ヤマト佛商は創業33年、人口10万人のエリアで葬祭会館3か所を運営し、年間施行件数200件。 2018年にコンサルティング会社の支持を得て同年6月に「樹木葬」を事業化。現在、直営の樹木葬に加え他社葬儀社、石材店、終活団体に対して、コンサルティングを行ない、寺院訪問数は全国3,500寺、墓石建立基数1,000期以上にのぼる。
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