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明暗分ける都市の市場ピークアウト 再構築迫られる生き残り戦略

本誌独自推計! 市区町村別将来死亡数

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都道府県別にみた将来推計死亡数

 日本の死亡者数がピークアウトするのは2040年だが、都道府県別に将来推計死亡数(2020年、25年、30年、35年、40年、45年)の推移を都道府県単位でみた場合、どうなるだろうか。
 2045年までの25年間、葬祭市場が拡大しつづけるのは東京都・愛知県・沖縄県の3都県。全国推計と同じ40年にピークアウトがくるのが17府県で、首都圏や近畿圏などに所在する府県が該当する。逆に、40年を待たずに35年にピークがきてしまうのが23道県で北海道をはじめ、北関東(茨城・栃木・群馬県)や甲信越の新潟・富山・福井・山梨・長野県、九州エリアなどの県が含まれる。それ以上に早い30年にピークに達し、全国推計より10年も早く天井に達するのが東北エリアの青森、秋田、山形県と高知県の4県である。特に秋田県は25年から30年の推計死亡数は横ばいであることから、25〜30年あたりに死亡数の最大値がくると推計され、今後数年でピークアウトを迎えるといってもいいだろう。
 参考までに、東京特別区と政令指定都市をみると、すべての都市が40年か45年に最大の死亡数に達する見込みだ。

市区町村別の将来推計死亡数を推移パターンでみる

 市区町村ごとの推計死亡数について、現在の人口が10万人を超える福島県を除く全国256都市の将来推移・動向について、そのデータを追った。
 あくまで推計だが、最も早い20年にピークアウトする都市は、北海道の小樽市と近畿エリアの門真市。小樽市は20年の1,256人を頂点に、以降、25年1,243人、30年1,209人、35年1,141人、40年1,048人、45年937人まで一気にしぼみ、20年の市場規模の約75%に縮小してしまう。門真市の場合も同様に、20年の1,588人から45年の1,112人へ、7割強の市場規模にまで縮小する。
 最も遅い45年にピークアウトする73都市は、それまで市場規模は拡大しつづける都市だ。

コロナ後の「新しい事業様式」の糧に

 各地域・都市の将来展望は明暗を分けているといえるが、どのような状況下に置かれても経営者は、シェアをいかに拡大するか(水平展開)、あるいはサービスクオリティをどう上げるか(垂直展開)、といった中長期的な戦略ビジョンを立て続けなければならないことだろう。
 より深刻にならざるを得ないのは、縮小市場の都市にある事業者だ。多くの競争戦略やマーティング戦略、顧客獲得戦略などは、拡大市場下のなかで成長の原動力となるよう生み出されてきたものといえる。したがって、拡大市場にある都市にある事業者とでは、おのずと出店計画や商品開発、サービス展開は、言わずもがな異なってくるからである。
 しかも、ここにきて新型コロナウイルスが葬祭業に与えた影響も大きく、「withコロナ」を経た「コロナ後」の葬儀はいままでと同様というわけにはいかない。本誌6月号(No.283)の緊急特集でも、「会葬者が減少している」とアンケートに回答した事業者は8割にのぼっていたことから、葬儀規模の縮小・簡略、一日葬や直葬の増加、通夜振舞いなど飲食機会の省略等は、国が提唱する「新しい生活様式」が今後生活者に浸透していくとともに、もはや避けられないと捉えるべきだろう。
 そのとき経営者が問われるのは何か。それは、自社が生き残っていくための、変わる時代に合わせたしかるべき進化の方法を早急に模索し、フレキシブルなマインドをもって行動に移すことが大切なのはいうまでもない。
 今回、地域別の将来推計死亡数からピークアウト年次に着目して各都市を類型化したが、このデータの読み取り方は1つではなく、着目点や見方を変えれば、今回紹介した以外の法則や特徴が読み解れることだろう。
 コロナ後の新しい行動様式ならぬ「新しい事業様式」を模索するにあたり、この地域別将来推計死亡数が、今後の戦略ビジョンの立案に少しでもお役に立てれば幸いである。
月刊フューネラルビジネス
2020年7月号

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定価:本体3,700円+税

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