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――南海グリーフサポート㈱[大阪市住之江区]
  代表取締役社長 小池裕司氏

「LGBTQフレンドリー宣言」を標榜し
業界に先駆けダイバーシティに取り組む

南海電気鉄道㈱の100%子会社として2005年8月に設立された南海グリーフサポート㈱。
㈱ティア(名古屋市北区、社長冨安徳久氏)のFC加盟社として、2023年7月末現在、大阪府および和 歌山県内に葬祭会館16か所、葬儀相談サロン1か所を展開する。
その同社が、この6月、葬祭業界の先駆けとして「LGBTQフレンドリー宣言」を行なうと発表した。同社を率いる代表取締役社長小池裕司氏に、その経緯と今後の展開について話を伺った。

                           ―――中 略―――

会社が描くビジョンと完全一致
業界の先陣切って本格的に取り組む

――この6月、貴社はLGBTQフレンドリー宣言を行なうと発表されました。その経緯についてお聞かせください。
小池 2年ほど前からセクシャルマイノリティの方々に対して、何らかのお手伝いができないものかと考えておりました。そうしたところ、フランチャイザーであるティアから、今後は、葬祭業界においても性の多様性に対し何らかの対応が必要なのでは、といったことで意見交換をする機会があったのです。それを機に、漠然と思い描いていたD&I※1推進への想いが強くなるなか、「LGBTQフレンドリーな葬送の実現を目指すプロジェクト」※2(本部大阪市北区)の代表を務められている石原千晶氏と出会い、今回の運びとなりました。

――貴社からのリリースは、おそらく業界の先駆けとなる取組みとしてインパクトの高い発表でした。
小池 個人的に“先駆けて”という意識をもったことはありません。ただ、業界全体として、遅かれ早かれ性の多様性について真摯に向き合う姿勢を示すことが求められるだろうと思っていました。事実、当社でもこうした方々の葬儀施行をとり行なったことはありますし、他社においてもそれは同じはずです。しかし、当時を振り返ると、喪主様らが本当に望んでいる施行ができたのかといえば、甚だ疑問です。お互いに何となく遠慮がちになり、モヤモヤとしたものを抱きながら、式が進んでいたのではないかと思うことばかりです。
――双方がコミュニケーション不足を感じながらも淡々と式が進行していたと。
小池 おっしゃるとおりです。近年、各自治体における「パートナーシップ制度※3」の拡大に伴い、ブライダル業界では同性同士であっても挙式ができるサービスを提供する事業者があります。一方、葬祭業界においてはいまだに性の多様性に対する理解は十分ではない状況にあるといえます。
――正確にいえば、実際に施行を請け負ったことがあるにもかかわらず、ということになります。
小池 しかも、お互いに違和感をもちながら、ですよね。しかし、このままの状況であっていいはずがありません。当社は、“あらゆる人と共感し感動葬儀をクリエイトする”ことをビジョンに掲げておりますので、その信念のもと、性の多様性に配慮したお見送りの提供や職場環境の整備など、多様性を受け入れる土壌づくりを行なうことは必然の流れでもあります。
 石原代表は、“セクシャルマイノリティの方々は現在、日本の人口の約8~10%を占めるのではないか”とおっしゃられていましたが、そうであれば、どの組織にも当事者の方がおられる可能性がある。ダイバーシティが叫ばれるなか、企業として、いずれは取り組まなければならない課題であることは確かでしょう。
――とはいえ、唐突にフレンドリー宣言を発せられても、戸惑うスタッフもあるはずです。貴社内ではいかがでしたか。
小池 社内では、前向きな取組みとして受け止める人ばかりでした。葬祭業に従事している時点で、“他人を思いやる心”をもっている人ばかりということもあるのでしょうが、後ろ向きの発言はありませんでした。ただ、受け止め方には個人差があると思いますし、あって当然なのかもしれません。大切なのは、それぞれが抱いている疑問や不安などについて意見交換することですから、今後、大いに前向きな議論をしていきたいと考えています。

関連フェスタに出展し情報収集
生きた情報もとに葬儀現場に活かす

――フレンドリー宣言を受けて、今後、どのようなロードマップを描かれておられるのでしょうか。
小池 宣言を行なった6月から、サービス内容および社内規程の変更について検討を開始しています。また、8月29、30日の2日間で、全社員研修を行ないました。研修には、今回の取組みを後押ししてくれた石原代表のほか、NPO法人カラフルチェンジラボ(福岡市中央区)代表理事である三浦暢久氏らを講師に迎え、基本的なことを学ばせていただきました。
 来る10月7、8日には、当事者の方からも忌憚のない意見を伺うべく、この日に開催される「レインボーフェスタ! 2023 関西レインボーパレード」にブース出展させていただきます。関西在住のセクシュアルマイノリティの方や地域住民を中心に、全国各地はもちろん、海外からも多くの参加者(2022年度実績2万人)が訪れるイベントですので、さまざまなご意見をお聞かせいただきながら、今後の方針づくりに役立てたいと考えています。(続きは本誌で)

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