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女性登用・活躍の場創出=
社内改革・顧客目線へのアプローチ

20年間伸び悩む
女性管理職の割合

  「202030」という言葉がある。2003年、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位(国会議員のほか、公務員や企業の経営・管理職層)に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になる」ことを目指して当時の政府が掲げた、男女共同参画政策における数値目標だ。この30%という割合は、「女性活躍社会」を推進した効果を実感でき、かつ組織に質的な変化を起こし得るために達成すべきマイルストーンとして、当時定義された数値でもある。
 この目標が達成されたかどうかは、いうまでもない。13年に政府が掲げた「日本再興戦略」においても最重要課題の1つに女性の活躍推進を据えたものの、15年12月、第4次男女共同参画基本計画において20年の民間企業の女性課長職の割合を15%にすると下方修正。事実上、202030の達成を断念した。
 当初のゴールとして設定されていた20年には、「2030年までに役員に占める女性比率を30%にする」ことを目指す第5次男女共同基本計画が閣議決定された。つまり政府は20年間同じ目標を掲げ続けているわけだが、原因は一目瞭然である。厚生労働省が公表した「令和4年度雇用均等基本調査」によれば、この10年間、女性管理職の割合は微増傾向にとどまっており、政府が予見していたようには増加していない(図表1)。

 この背景として、まずあげられるのは法制度の課題だ。15年8月には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)が成立したが、ここで「労働者数301人以上の事業主」に義務づけられた「女性が活躍できる行動計画の策定・公表」はあくまでも努力義務であり、実質的な強制力には乏しかった。22年4月の改正では対象企業に「労働者101人~300人の中小企業」も含まれるようになったものの、いまだに自分ごととして捉えている企業は少ないまま

正社員率は「男高女低」
採用面でも男性優位

 女性管理職が思うように増加しない要因はそれだけではない。女性の非正規社員比率の高さも大きな障壁として立ちはだかっている。
 一般的なサラリーマン家庭では、男性が正社員として一家の収入を支えるという構造が標準的な家庭モデルとして定着している。近年では共働きを選択する女性もふえてきているが、結局のところ、女性の収入は補助的なものであるという認識は根強いままだ。このため、現在も女性の非正規社員比率は高い傾向のまま膠着している。総務省統計局の公表する「労働力調査」から役員を除く雇用者の内訳を男女別でみてみると、直近5年間の正社員、非正規社員の割合は図表2、3のとおり。男性は8割近くが正規雇用であることに対し、女性は非正規雇用が過半数を下回っている。

 当然、正社員の男女比をみると男性が大半だ。図表4からわかるとおり、この10年間で女性の割合は4ポイントふえてはいるものの、男性は女性の約2倍で推移している。

 企業の規模に関係なく、管理職は正社員から登用されるのが一般的だ。とすれば、非正規雇用が全体の半数を超える女性が管理職に就くことは現実的にむずかしく、女性管理職の比率が伸び悩むのはもはや必然ともいえる。女性管理職をふやすには、まずは正社員における「男高女低」の状態を脱することが先決ではないだろうか。
 では、女性の正社員がなかなかふえない理由はどこにあるのか。先ほどの雇用均等基本調査では、各企業における正社員(正職員)の採用状況についてもまとめている。
 22年春卒業の新規学卒者を採用した企業のうち、採用区分ごとの男女比率をみると、総合職については男女とも採用した企業の割合が4割を超え、次いで「男性のみ採用」が38.4%となっている。限定総合職では「女性のみ採用」が39.4%、一般職でも「女性のみ採用」が38.4%となった。全体を通して「男女とも採用」とした企業も少なくないが、最終的には管理職も視野に入れたキャリアアップが可能である総合職では男性の採用が多く、反対に女性は総合職のサポート業務が中心となる一般職での採用が多いことがわかる。
 大半の葬祭事業者が含まれる中小企業においては職種区分を設けていない事業者も多いだろうが、入社時点でキャリアの上限に差があることも、女性が管理職を目指しにくい1つの要因である。

「仕事と家事の両立」が
管理職志向を後押しする

 女性管理職の少なさがそもそも女性正社員の少なさに起因しているとはいえ、各企業はただ女性正社員の比率を高めればよいわけではない。(続きは本誌で)

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