ST(セキュリティ・トークン)/デジタル証券がいま、新しい資金調達の手法として注目を集めています。
なかでも、市場拡大を牽引するのが不動産を裏付資産とした不動産STです。ホテルやレジデンスなどアセットタイプの多様化、大型化により魅力的な投資機会を創出し、個人投資家・事業会社など新しい投資家の獲得と新規プレイヤーの参入も進んでいます。
今後、アセットタイプや販売形態の多様化、ブロックチェーン上(オンチェーン)での取引など、成長の促進と新たなフェーズへの移行が予想されます。
公募型の不動産STは、対象物件の取得および商品設計、複雑なストラクチャーや法規制、不動産ST特有のドキュメント対応、売却時の手続きなどにおいて、私募ファンド・私募REITとは異なる論点があり、新規参入にあたってはさまざまな知見とリソースが求められます。
本書は、不動産ST実務のバイブルとして、第一線で活躍する実務家が市場全体を俯瞰した動向、組成・運用にかかる法規制と契約上の留意点、実務対応について、専門的な知見をもとに詳しく解説します。
不動産事業者やアセットマネジメント会社、金融機関をはじめ、新規参入を検討される皆様にご購入をお薦めいたします。
第1編 齊藤達哉 ㈱Progmat 代表取締役 Founder and CEO
第2、3編 田椽史也 弁護士 TMI総合法律事務所
第4編、資料 田本英輔 三井物産デジタル・アセットマネジメント㈱ デジタル投資銀行部長/北海道支社長
第5編、資料 口井雄介 オルタナ信託㈱ デジタル運用部長
1. STの概要
(1)STとは
(2)ST化のメリット
①デジタル化とリアルタイムな情報把握を両立させる方法論の一つ
②小口化に伴う限界費用増加の抑制
③ステーブルコインとの組合せにより決済リスクゼロのまま直接取引が可能
(3)STによる新市場とオンチェーン金融
①新たなRWAと投資家の組合せによる新商品市場の創造
②AI駆動型経済=「オンチェーン金融」へのアップデート
2. 市場動向
(1)市場規模
(2)投資商品の多様化
3. 不動産STの概要
(1)不動産投資における不動産STの位置付け
(2)主なプレイヤー
①発行体・アセットマネジャー
②仲介者・証券会社(第一種金融商品取引業者)
③原簿管理者・信託受託者
④発行プラットフォーム・二次流通システム
(3)国内事例
(4)市場拡大に向けた課題と展望
①二次流通と商品供給における課題
②オンチェーン金融市場への展望
1. 金融商品取引法による有価証券規制
(1)法令上の取扱い
①STの概説
②金融商品取引法上のSTの定義
(2)トークン化有価証券
(3)電子記録移転権利
(4)適用除外電子記録移転権利
(5)有価証券の分類と業規制
①金商法第2条第1項各号に掲げる有価証券
②有価証券表示権利(トークンに表示されない権利)
③電子記録移転有価証券表示権利等
④金商法第2条第2項各号に掲げる権利のうちトークンに表示されない権利
2. 金融商品取引法による開示規制
(1)規制の対象
(2)発行開示規制
①規制対象になる募集・売出しの要件
②発行者の定義
(3)有価証券届出書
①様式
②添付書類
③事前相談
④効力発生日
(4)継続開示規制
(5)補足
3. アセットマネジャー(AM)の業規制
1. STの基本スキーム
(1)基本スキームの概略
(2)主なスキーム
2. 受益証券発行信託スキーム(JSスキーム)
(1)特徴と取引フロー
①募集取扱・ローンがある場合
②引受・ローンがある場合
③開示SPCの清算
(2)受益証券発行信託の対抗要件
①対抗要件
②受益権原簿の留意点
(3)ST特有のプレイヤー
①開示SPC
②受益者代理人
③証券会社
3. GK-TKスキーム
(1)特徴と取引フロー
(2)受益証券発行信託とGK-TKスキームの組合せ(TK-JSスキーム)
(3)GK-TKスキームの対抗要件
(4)対抗要件の問題点と特例措置
4. 自己募集スキーム
5. 契約上の留意点
(1)受益権譲渡契約
(2)川下信託契約
①川下信託契約の内容
②ローン受益権、ローン契約
③一般受益権
④精算受益権
(3)特定受益証券発行信託
(4)AM契約
1. 5つのフェーズとスケジュール
(1)不動産ST特有のプロセス
(2)商品性大枠決定期
(3)組成プロジェクト推進期
(4)ローンチ準備最終期
(5)需要調査期間
①募集・販売関連
②クロージング関連
(6)募集期間・決済準備期
①募集・販売関連
②クロージング関連
2. 組成におけるAMの実務留意点
(1)ソーシング段階での取得目線
(2)DDスケジュールの調整
(3)案件概要の確定時期
(4)テナントからの情報開示同意取得
(5)引受審査対応
(6)ODX対応、二次流通市場との連動
1. 全体像
2. 不動産ST特有の項目が登場するドキュメント群
(1)信託受益権売買契約
①先履行条項の組込み
②ファイナンス・アウト条項の規定
③情報開示の許可取得
④是正必要項目の取扱い
⑤買主の地位承継
(2)ローン契約、プロジェクト契約
①2.5%ルールへの手当て
②LTVテスト実施日の手当て
③短期ローン(消費税ローン)の期間
3. 不動産ST特有の新規ドキュメント群
(1)受益証券発行信託契約
①元本の払戻し
②信託計算期日の設定
(2)引受契約
①AMによる補償規定
②書類提出(前提条件、コンフォートレター等)
(3)AM契約
(4)有価証券届出書(SRS)
①第一部:証券情報
②第二部:信託財産情報
③第三部:関係法人情報
1. TK-JSスキームの留意点
(1)TK-JSスキームとは
(2)TK-JSスキームを用いるケース
①投資対象資産がレジデンスの場合
②機関投資家等とエクイティ共同出資を行なう場合
(3)TK-JSスキームの実務対応
①CFスケジュールの調整
②元本払戻しの対応
③送金の対応
④売却時期の対応
2. 不動産STにかかるコスト
(1)組成関連費用
(2)期中運用費用
1. ALTERNAの概要
(1)特徴
(2)商品特性
(3)顧客体験
(4)マーケティング
2. 募集・運用実績、投資家のデモグラフィ
(1)募集実績
(2)運用実績
(3)投資家のデモグラフィ
(4)アセットタイプ別の投資家流入
3. 案件事例①ホテル
(1)案件サマリー
(2)組成時の実務留意点
①テナントからの情報開示同意
②変動賃料の取扱い
③マクロ要因の取扱い
4. 案件事例②レジデンス
(1)構造的特徴
(2)TK-JSスキームによる組成の論点
(3)投資家マーケティング上の留意点
(4)組成時の実務留意点
①有価証券届出書における物件情報の記載
②売却出口
1. 期中運用業務フロー
(1)期中運用業務の全体像と開示資料の作成スケジュール
(2)2026年税制改正と受益証券発行信託計算規則の改正
①受益権調整引当額(利益超過配当)制度の廃止
②譲渡原価・取得価額の計算
③元本払戻し
④分配額計算に関する表示
(3)決算・配当フロー対応
(4)税制改正によるフロー変更の意義
2. 期中開示資料の作成実務
(1)決算報告書の特徴
(2)有価証券報告書(ST特有の条項と勘定科目)
3. 売却時の留意点
(1)売却可能時期
(2)最終配当・償還価格とNAVの乖離
(3)売買精算期限(信託受益権売買契約における期限設定)
(4)川下信託側での各種手続きに要する時間
(5)信託終了日と有価証券報告書提出期限
(6)適時開示資料(臨時報告書等)
(7)売却実行前後の総合的なタイムライン管理
4. 精算受益者の実務留意点
5. 個人投資家からの問合せ・クレーム対応
信託受益権売買契約
ローン契約、プロジェクト契約
元本減少割合の通知書面
綜合ユニコム株式会社 企画情報部
TEL.03-3563-0120