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――編集部

変容する葬儀サービスと市場からみる
過去〜現在〜今後の葬祭業の立ち位置
<事業者別の会館数&売上高ランキング>

[特集]葬祭業界の全体像

月刊フューネラルビジネス7月号「変容する葬儀サービスと市場からみる過去~現在~今後の葬祭業の立ち位置」では、葬祭業界の歴史や産業構造、市場規模の推移を整理し、葬祭業の全体像を解説する。本稿では、葬祭業の市場規模を推計するほか、編集部が保有する会館一覧をもとに事業者別の会館数を集計したランキング、各社ホームページやIR情報、リクルートサイト等から抽出した売上高ランキングを掲載する。会館数と売上高の両面から、葬祭業界における主要事業者の規模感とパワーバランスを読み解く。


葬祭業の市場規模 
推計で約1兆6,300億円

 葬祭業は会館葬が広まるとともに装置産業・サービス業色を強め、施行単価は上昇していった。生花祭壇や料飲、返礼品だけでなく、湯灌・納棺やエンバーミング、遺体安置などの新たな遺体取扱いサービスが提供されるようになったのも大きかった。しかし、2000 年代には早くも葬儀単価が低下しはじめる。その背景には、05年に人口減少社会に突入し、親族の減少と社縁・学縁・地縁の薄れとともに、消費者の葬儀に対する価値観が変化していったことがあげられるだろう。それから約20 年、現代の葬祭業の市場規模はどうなっているのだろうか。

 葬祭業の市場規模は施行件数(取扱件数)に施行単価を乗じて算出するものだ。施行件数の代わりに援用するのは、(年間)死亡数である。葬儀をしない、あるいは密葬と本葬(お別れ会)と二度葬儀をするケースなどがあり、施行件数と死亡数はまったくのイコールではないが、ほぼ同義として援用する。

 総務省「令和3年経済センサス- 活動調査」の産業別集計(サービス関連産業)で公表された個人経営を除く冠婚葬祭業から、いまの市場規模を推計したい。それによると、20(令和2)年の冠婚葬祭業の売上高は、1兆6,138 億8,500 万円に達している。この数字は、葬儀と結婚式・披露宴を合算した売上高で、葬儀だけの売上高ではない。ただし、年間取扱件数が葬儀145 万8,252 件、結婚式・披露宴10 万6,095 件とわかっているので、この割合から全体の7.3%が結婚式・披露宴の売上高とすれば、葬儀の売上高は約1兆4,960 億7,100 万円(1兆6,138億8,500 ×〔1 - 0.073〕)と推計できる。

 これをもとに、最新の市場規模を算出してみよう。先の経済センサスから葬儀1件当たりの施行単価を導くと、102 万5,934 円(1兆4,960 億7,100 ÷ 145 万8,252)が算出できる。厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計(概数)」によれば、25 年1年間の死亡数は158 万9,489人だから、これに102 万5,934 円を乗ずると、25 年の市場規模は約1 兆6,307 億円(158 万9,489×102 万5,934)と推計できるのだ(図表1)

 経済センサスでは、葬儀業の事業所数も公表している。20年当時で全国には8,070 か所の事業所があるとされるが、葬祭会館などが含まれている可能性が高いことから、実際の葬儀社数はこれより少ないと判断したほうが賢明だろう。同調査は5年ごとに実施されており、今年は調査実施の年に当たる。その速報集計は来年5月末頃に公表される予定で(確定集計は9月頃)、葬祭業の市場規模を知る公的データとして、最新の集計結果に期待したいところだ。

図表1 推計できる葬祭業等の市場規模

▶葬祭業

約1兆6,300億円

▶葬儀花

約1,727億円

▶仏壇・仏具

約1,185億円

▶墓石

約657億円

事業者別の会館数&売上高ランキング 
上位20社で市場の3〜4割を占有

図表2 事業者・グループ別の会館数ランキング

 葬祭業の市場規模は約1兆6,300億円と推計できたが、事業者間のパワーバランスはどうか。会館数(25年オープンまで)と売上高を指標に考察する。

 会館数は編集部の会館一覧データをもとに事業者別に集計し、上位20位までのランキングを作成した(事業者がホームページ等で発表している会館数とは一致しないこともある)。売上高は各社ホームページやIR 情報、リクルートサイトを参考に、会館数同様、上位20 位までのランキングを作成。大手事業者の場合、グループ会社を合算してランキング化している(グループの場合(G)を併記)。ただし、互助会の売上高には婚礼等の売上げを含んでいるので注意したい。

⑴ 会館数ランキング(図表2)
 編集部が創刊時からストックし、現在も更新しつづけている会館一覧データをみると、25年までにオープンした全国の総会館数は1万1,958か所に達しているとみられる(26年5月現在)。

 事業者別にみると、全国で最も多い会館を展開している事業者は冠婚葬祭互助会のアルファクラブ(G)であった。その数639か所で、第2位のベルコを2倍以上引き離して断トツの第1位である。1962年の発祥地である埼玉県をはじめ北関東・東北エリアの東日本を中心に、中部・東海エリア、島根県、徳島県などで会館を展開。加えて、2013年にグループインした紹介サイト「小さなお葬式」を手がけるユニクエスト(247 か所、第4位)を含めると886か所となり、1,000か所の大台突破も近い会館ネットワークを構築することになる。

 第2位はベルコで315 か所。1969 年の創業地・兵庫県、隣の大阪府を中心に、北海道・東北・東海・近畿・中国・四国・九州エリアと全国で万遍なく会館展開し、もともとの「シティホール」のほか、「ベルコ会館」、家族葬向けの「ユアホール」「はないろ」などのブランドを展開する。

 次いで第3位は専門葬儀社の老舗最大手、上場企業の燦ホールディングス(G)で302 か所。母体は1932年創業の大阪・公益社で、2001年に首都圏に進出、04年にホールディングス化を実現した。近年、拡大路線を鮮明にしており、24年に家族葬のファミーユのきずなホールディングスを子会社にしたことで九州エリア、愛知県、岡山県などへ、25年には福島市のこころネットのグループ化により、福島県と山梨県への進出を果たしている。
(本誌ではランキング20位までを掲載しています)

図表3 事業者・グループ別売上高ランキング

⑵ 売上高ランキング(図表3)
 全事業者のうち、最も売上高の大きかった事業者はメモリード(G)である。1969年に長崎県で創業し、81年に群馬県、88年に宮崎県に進出。これらグループ3社を合わせた売上高は約939億円となった。次いで第2位には愛グループ(G)が入った。グループ2社の売上高は約770億円。第3位は、会館数ではトップだったアルファクラブグループ(G)で、グループ8社の売上高は約728億円であった。グループのユニクエストの売上高(約130億円、22年3月現在)は合算していないが、これを含めると約858 億円となり、メモリード(G)に次ぐ経営規模となる。第4位はベルコで売上高は約553 億円。
(本誌ではランキング20位までを掲載しています)


月刊フューネラルビジネス7月号「特集|葬祭業の全体像」では、事業者別の会館数・売上ランキングに加え、葬祭業の発達経緯や産業構造、市場規模の現状と将来推計などを整理。変容する葬儀サービスと市場の動きから、葬祭業がこれまで担ってきた役割、そして今後の立ち位置を俯瞰的に読み解いている。

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