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3年110億円以上の大規模投資を計画
設備改修・商品力強化で世界観の再構築へ
山本俊祐氏[常磐興産㈱ 代表取締役会長/アイコニア・ホスピタリティ㈱ 代表取締役会長/フォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン合同会社 マネージング ディレクター]

スパリゾートハワイアンズ

INTERVIEW

ショーのステージは
開業時の開放的なつくりに

――最初に、老舗レジャー施設であるスパリゾートハワイアンズのどのような点を評価されたかを教えてください。
山本 まず、60年に及ぶ施設の歴史に対してリスペクトがあります。炭鉱を祖業としながらも、東北の地にハワイをつくることを目指し、そして実現させる。奇跡のストーリーといえます。運営自体も好調で、十分な利益を出していました。しかし、東日本大震災とコロナ禍によって銀行からの借入れが増加し、新たな設備投資がむずかしい状況でした。テーマパークは毎年少しずつでもコンテンツの更新を行なわないと陳腐化してしまい、集客力が落ちていく。ですから、フォートレスがスポンサーになることで一気にリニューアルし、今後さらに60年にわたって勝ち続ける施設として生まれ変わることができると考えたのです。

―投資計画の具体的な内容とは。
山本 投資規模としては3年間で110億円以上を見込んでいます。特にスパリゾートハワイアンズの集客力はショーとウォーターパークが核になっていますので、改修の優先度は高い。
ショーについては、ステージを開業当時のようにプール側に向かって開放的な設えにします。現在のステージは周囲を囲っているため、ショーが開催していない時間は活用されていません。これを開放的にすることで、多くの人の目に止まりショーの雰囲気を感じることができるようになるでしょう。加えて、楽屋も改修することでダンサーの働く環境を改善します。ウォーターパークに関しては、過去の増築でハワイから少し外れたような雰囲気の場所もつくられてきたのですが、これをあらためて「ハワイ」という明確なテーマで世界観を統一することで訴求力を高めます。
 食事についても強化します。ホテル3棟のレストランについては原価率をアップさせました。共通の看板メニューとしてフライドチキンが新たに加わり、また福島県産食材も採り入れることで、ハワイらしさもあるスパリゾートハワイアンズならではの食事体験の提供を目指しました。ホテル以外にも、ステージ近くにあるフードコートをフードホールとして再定義し、各国料理や物販を織り交ぜたマーケット風のわくわくできるような空間にリニューアルする予定です。
 ホテルも改修します。1966年開業の「ホテルハワイアンズ」についてはロビーやレストランを全面改装するほか、一部客室もフルリニューアル予定です。また、以前のオフィスや会議室で現在使われてない空間を客室化することで20室ほど増室します。ほか2棟のホテル「ウイルポート」「モノリスタワー」も改修の方向で計画を進めています。
 このほかにも、日帰り客動線を駐車場からアクセスしやすいように改善、露天風呂「江戸情話与市」に洗い場の新設、更衣室や休憩スペースの改修、チケットのペーパーレス化などを順次進めていきます。 ・・・<続きは本誌にて>

山本俊祐(やまもと・しゅんすけ)
INSEADにて経営学修士(MBA)を取得。早稲田大学法学部卒業。JPモルガン証券の不動産ファイナンス部、UBS証券㈱の企業金融本部に勤務などを経て、ウェストモント・ジャパン・インベストメンツ㈱にて投資担当ヴァイス・プレジデントに就任。2011年にフォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン合同会社(以下、フォートレス)に入社。
12年よりアイコニア・ホスピタリティ㈱の代表取締役会長。現在、フォートレスの日本におけるホテルの取得および資産管理投資業務を統括。

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