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CBREリサーチ/インベストメントバンキングに聞く

態度は「緩和」、案件は「選別」
判断は「成長性の見極め」に重点

VIEWPOINT|ファンドの資金調達環境(試し読み版)

金利上昇下でも、ファンドの投資意欲は旺盛さを増し、レンダーの融資姿勢は緩和基調を維持している。一方で案件の中身は複雑化し、融資判断では物件の内容に加え、事業収益の成長ストーリーや出口戦略を見極めようとする傾向が強まっている。CBREの「レンダーサーベイ2026」の結果をもとに、同社のリサーチおよびインベストメントバンキング担当者に話を聞いた。

緩和姿勢は継続でも
融資は「量」×「質」に

不動産投資マーケットを占ううえで、レンダーの融資姿勢は重要な指標となる。

CBREが2026年4~5月に実施した調査「レンダーサーベイ」によると、レンダーの融資姿勢は2026年度も引き続き緩和的だ。融資額が「増加する」との回答は、シニアレンダーで60%、メザニンレンダーで57%と、いずれも前年を上回った。利上げ局面でも、不動産向け融資を積み増す姿勢に変化はみられない。

融資実績では、新規取得案件向けが中心となった。シニアレンダーの7割以上が「融資額の70%以上を新規取得向け」と回答。メザニンレンダーでは全社が同様に回答し、過去5年間で最高水準となった。不動産売買市場の活況を裏付ける結果といえる。

一方で、緩和的といっても「何にでも貸す」という放漫的な状況ではない。融資判断で最も重視する条件は引き続きLTVだが、シニア・メザニンともに「LTV」を選択したレンダーの割合は低下した。代わって、出口戦略や将来の賃料成長を左右する「都市・立地」を重視する回答が前年比で大きく増加した[図表1]。

 

 

背景には、インフレや金利上昇局面では取得時点の利回りだけでは投資成果を判断しにくくなっていることがあるようだ。

今後の賃料上昇余地や出口価格の維持・向上が資産価値を左右することになるため、レンダーも現状の収益安定性よりも、将来のキャッシュフロー成長まで織り込んで融資判断を行う傾向が強まっている。

スプレッドは低下
メザニン需要が拡大

今回の調査で特徴的だったのが、スプレッドの低下とメザニンローン需要の拡大だ。

まず、スプレッド低下の要因はレンダー間の競争激化である。プライムアセット向けローンのスプレッドは、シニア・メザニンともに低下。とくにメザニンでは、前年まで上昇傾向だったスプレッドが全アセットタイプで低下している。

背景には、ベース金利の上昇分をスプレッド圧縮で吸収し、借り手の総調達コストを抑えながら優良案件を獲得しようとするレンダー側の競争がある。優良案件が限られるなか、利ざやを圧縮してでも案件を取り込みたいという姿勢が、スプレッド低下につながったとみられる。ただし、今後1年以内にスプレッド上昇を見込む回答も依然として多く、金利動向や資金調達環境次第では再び引き締まる可能性も残る。

一方、メザニン需要拡大の背景には、不動産価格の上昇がある。価格が上昇しても、シニアレンダー側の不動産評価額やLTV基準は保守的であり、大きくは引き上げられていない。このため、取得価格とシニアローンのギャップを埋める資金として、メザニンの活用が進んでいる。加えて、バリューアップを前提とする投資戦略が主流となるなか、投資効率を高めるためレバレッジを積極的に活用するファンドも増加している。大型案件ほど必要資金も膨らむことから、メザニンローンが資本政策上、重要な役割を果たすケースが増えている。

レンダー側の事情も見逃せない。プライム案件ではシニアローンの競争が激しく、十分な利ざやを確保しにくい。そのため、比較的高い収益性が期待できるメザニン融資へ注力する金融機関が増えており、地方銀行など新規参入を検討するプレーヤーも現れている。

注目するアセットタイプでは、シニア・メザニンレンダーともにオフィスが首位となり、前年トップだった住宅と順位が入れ替わった[図表2]。

 

 

2025年後半以降、都心部では企業業績の回復や出社率の上昇に加え、新築大型ビルへの集約移転や立地改善を目的とした本社移転が活発化。空室率が改善、賃料上昇が鮮明になっている。レンダーもオフィスを成長性が期待できるアセットとして評価を高めている。

 


≪記事の全文は本誌で≫


能勢 知弥氏(左)
リサーチ アソシエイトディレクター

羽仁 千夏氏(中)
リサーチヘッド インベストメントバンキング

山本 伸英氏(右)
シニアディレクター ディレクター

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