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AM154社のアンケート分析
市場は成長軌道を持続

OVERVIEW|不動産AMの運用実態【抜粋版】

編集部では、2026年2月5日~3月19日にかけ、国内に拠点を構える不動産AM会社にアンケート調査を実施した。アンケートを送付した205社のうち、154社から回答を得た。本稿では、回答で寄せられた各社の事業概要(運用資産残高、運用商品、運用状況など)を分析。その一部を紹介する。

好調を維持する私募ファンド

 金利上昇と物価高騰、国際情勢混乱という局面に入り、経済の先行き不透明感が漂うなかで、日本の不動産投資市場はなお好調を維持してきたといえる。日本不動産研究所の「不動産投資家調査」(2025年10月現在) では、「新規投資を積極的に行う」との回答が94%で、ここ5年ほど横ばい状況が続く。反対に「当面、新規投資を控える」との回答はわずかに2%だ。機関投資家の不動産投資に対する姿勢は後退局面には至らず、これまで通りを維持していると言えそうだ。

 

 編集部が2026年2~3月に実施した「不動産AM事業者アンケート」の結果を見ても、国内の不動産ファンド市場は、[図表1]に示す通り着実に拡大している。全商品の運用資産残高は、62兆4,805億円で前年比9.9%増。商品別では、私募ファンドが23兆73億円(前年比16.7%増)、私募REIT5兆2,308億円(同15.7%増)、J-REIT23兆2,344億円(同6.5%増)となっている。

[図表1]商品別にみた運用資産残高
[図表]商品別にみた運用資産残高

有効回答数:2024年125社(私募ファンド57社、私募REIT28社、J-REIT49社)、2025年135社(私募ファンド67社、私募REIT29社、J-REIT49社)、2026年144社(私募ファンド72社、私募REIT34社、J-REIT53社)

JR東日本不動産投資顧問が躍進

[図表2]はアンケート回答企業の運用資産残高ランキングである。1位のケネディクスが前年比で16.1%増、金額で7,508億円増えている。私募ファンドが前年比で44.9%増、金額で5,807億円増えたことが主な要因だ。

 

 上位40社のなかで残高の伸びが顕著な企業は、JR東日本不動産投資顧問(40位・前年比91.0%増)、三井住友トラスト不動産投資顧問(23位・同51.4%増)、三菱UFJ不動産投資顧問(32位・35.4%増)、リアルリンク国際投資顧問(11位・同32.9%増)、住友林業アセットマネジメント(36位・同30.4%増)である。
 このなかでJR東日本不動産投資顧問は、2021年設立の新規参入企業だが、首都圏の物流施設2物件を組み入れたファンドのAM受託などで私募ファンドの残高を前年からほぼ倍増させたほか、私募REITの残高も前年から70.6%増やし1,000億円の大台に乗せた。

[図表2]運用資産残高ランキング(アンケート回答に基づく)

[図表]運用資産残高ランキング(アンケート回答に基づく)
[図表]運用資産残高ランキング(アンケート回答に基づく)

※1:グループ回答

 私募ファンドの運用資産残高ランキングでは、トーセイ・アセット・アドバイザーズは4年連続でトップとなり、前年比の伸び率も12.5%と堅調だ。先ほど触れた企業以外で残高の伸びが顕著なのは、大和リアル・エステート・アセット・マネジメント(23位・前年比136.0%増)、野村不動産投資顧問(14位・同87.2%増)、アリサ・パートナーズ・ジャパン(18位・同43.1%増)。
 私募REITの運用資産残高ランキングでは、野村不動産投資顧問が運用資産残高を前年比14.3%増とし、1位の座を獲得した( 前年は3位)。前年からの伸び率では、JR東日本不動産投資顧問(17位・70.6%増)のほか農中JAML投資顧問(16位・46.0%増)が目立つ。同社は前年比2ケタ%の拡大を毎年続けており、今回で私募REITを1,000億円の大台に乗せた。
 一方、J-REITは私募ファンドや私募REITと違い、2ケタ%の伸びを示す企業はおらず、マイナスしている企業が散見される。投資口価格の底は抜け出したものの、増資を伴う形で外部成長を積極化させようとするセンチメントにはいまだ転換していないようだ。
 
(本誌では、各ランキング上位最大40社を公開しているほか、細かい成長要因分析も掲載している)

コア型運用からのシフトみられるも
積極的なリスクテイクには傾かず

[図表3]は、アンケート回答企業が採用している運用スタイルをみたものである。注目されるのは「コアプラス」と「オポチュニスティック」の増加で、金利上昇による不動産への期待利回りの上昇が背景にあると考えられよう。
 
 アンケート回答企業が主に採用する運用スタイルをもとに「コア型」「リスクテイク型」「バランス型」の3つに分類してみると、コア型は75.3%で前年比3.3%減少、リスクテイク型は11.1%で同0.4%増加、バランス型は13.6%で同2.9%増加した。前々年と比較すると、それぞれ8.0%減少、0.4%減少、8.5%増加した。つまり、コア型が減った分をバランス型が吸収する構図である。
 先述のように、不動産への期待利回りは上昇しているわけだが、リスクテイク型ではなくバランス型が増加しており、運用スタイルの転換は急激とまでは言えない。

[図表3]運用スタイルの構成
[図表]運用スタイルの構成

[図表4]は主な顧客投資家の属性を示したもの。前年は半分近く(48.4%)を「中央金融法人」が占めていたが、今年は41.1%に減少。反対に「海外投資家・ファンド」が前年の11.0%から21.1%へとほぼ倍増した。これは海外マネーによる対日投資の波がいまだ衰えないことを意味している。
 
 REITを中心に取り扱う企業の主要顧客が中央金融法人に固まっていることをふまえ、私募ファンドを中心に取り扱う企業に絞って顧客属性を見てみたところ、最も大きな比重を占めるのは「事業会社」(41.0%)で、「海外投資家・ファンド」(28.2%)、「中央金融法人」(25.6%)と続く結果となった。

[図表4]主な顧客属性
[図表]主な顧客属性

≪このほか、アセットタイプ別の運用状況、業務効率化システム活用状況など、分析記事の全文は本誌で≫

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