不動産収益保持の“ 守り”と
投資機会拡大の“ 攻め”を両立

私募REIT増資の要望も

 
 丸紅アセトマネジメント(丸紅AM)は、私募REIT「丸紅プライベートリート投資法人(MPR)」とその他私募フンドを運用する不動産AM会社。20212月時点での運用資産残高は4,225億円MPR2,883億円、私募フンド1,342億円)にのぼる。
 
「取得後の付加価値向上を見据えながら、中長期的に安定リターンを生み出す物件を見極める力が強み。これは丸紅グループ全体で約60年間にわたり不動産事業の経験を培ってきたことによるもの」と語るのは、代表取締役社長の藏本清登氏だ。
 
 コロナ禍以降は物件の運用面でとくに気を配ってきた。ホテルや商業施設ではテナントの事情に応じ賃料減額や支払い猶予に一部応じたものの、オフスビルでは賃料の増額改定も実施しており、ポートフリオレベルでの収益低下を極力防いでいる。
 
 こうした取り組みの甲斐もあり、MPRでは分配金の減少額を最小限に抑えることに成功。実績を評価した中央金融機関からの追加投資ニーズは強い模様だ。

 
 
 

  
 

物流・ヘルスケアに注力

 
 丸紅AMは現在、物流施設の開発投資でのAM事業に力を入れている。新たに「LOGIPLACE(ロジプレイス)」というブランドを立ち上げ、私募フンドで運用する物流施設で展開していく。
 
 その第1号案件として1月にLOGIPLACE-D川越」(埼玉県川越市)が竣工した。第一生命保険が出資する私募フンドを通じて開発された物件で、竣工時点から満室稼働している。「物流施設についてはプロジクト進行中の物件が56件、検討中の物件を含めると10件程度ある」(藏本氏)。
 
 そのほか、MPRにてサービス付き高齢者向け住宅と保育園からなる複合施設の取得実績を持ち、ヘルスケア施設への投資も強化したいとしている。


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