連載⑱
レジャーホテル、こっそり入りたい?
普通のホテルのように入りたい?
フロントの「無人/有人」アンケートに見る
女性の意識

作家・コラムニスト 神田つばき

親切すぎないドライな接客が好感度
レジャーホテルのフロントについて、有人/無人のどちらがよいと思うか、男女別にSNSでアンケートを取りました。


117票の回答の55%が男性、45%が女性です。男女合わせると56.5%の人が「無人がよい」と回答しています。

昔から、レジャーホテルのフロントは、顔を合わさないくり抜き窓が特徴的です。それでも恥ずかしいのか、回答者の20代女性に聞いてみました。

「窓の向こうから聞こえてくる声が、お母さんみたいな口調だったりすると、一気にムードが壊れます。普通のホテルみたいに、ドライに対応してくれればいいです」と、恥ずかしさ以外の理由を聞かせてくれました。同様の意見は年齢性別を問わず寄せられています。

エレベーターや廊下で従業員さんとすれ違う時に、「気を遣ってサッと隠れたりされる」のも、「おもてなしのつもりだと思うが、笑顔で話しかけられる」のもストレスになる、という意見です。とくに若い人は、コンビニやファミレスのような正確で淡々とした接客を好む傾向にあります。

また、地方のホテルでは近所の人がパートでフロントにいることもあります。不倫に限らず、職場恋愛中の人など、他人から見られたくない人にとっては自動精算システムがありがたいようです。

フロントはラブの現場の守り人
男性は「有人:無人」が1:2で、圧倒的に無人フロントを希望しています。ところが女性は「5:4」で、有人フロントを希望する人のほうが多いのです。

男性より女性のほうが恥ずかしさを感じる人が多いだろうし、誰にも会わずに入館したいだろうと予想していたので、これは意外でした。何人かの女性に理由を聞くと、交際中の恋人と入館する人からは、「後ろめたいことをするわけではないから、フロントに人がいても気にしない」という回答がありました。むしろ、男性側が「後ろめたい、恥ずかしい」と感じていたら、女性はすごく嫌だというのです。

また、20代の若い女性からは、「無理にホテルに引っぱり込まれそうになったりしても、フロントに人がいれば防げる。全てのラブホを有人フロントにしてほしい」という意見もありました。

この3月、埼玉県にあるSM系ホテルのSNS投稿に、「女性の理解がないまま『一か八か』で来館するのはやめてほしい」というお願いが掲載されました。女性が入館を拒否した例が1週間に9組もあり、スタッフが対応したそうです。

女性にとっては、フロントに限らず、ホテルスタッフの存在が感じられた方が安心して利用できるのです。「性的同意」が重要視されている昨今、この傾向はますます強くなっていきそうです。

将来的には、シティホテルやビジネスホテルのような、丁寧だけれども淡々とした接客がレジャーホテル・スタンダードとして認識されていき、安心・安全なスペースとして、若年層の利用増加はさらに期待できると思います。

神田つばき プロフィール
離婚と子宮ガンをきっかけに、女性に生まれたことの愉しみを求めて緊縛写真のモデルとライターに。『東京女子エロ画祭』『大人の性教育勉強会』などのイベント主宰も。女性の健康とWLB推進員(NPO法人女性の健康とメノポーズ協会)、中級シニアライフカウンセラー(一般社団法人シニアライフサポート協会)として性の健康のために活動している。Twitter ID@tsubakist


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