不動産ファンドAM事業者総覧

不動産ファンドAM事業者総覧

オポフンド主体の運用スタイル
資金力と機動力に大きな優位性

昨年比2倍の物件取得を志向

 
パンコーは、米ブラクストーンのフンドが投資した不動産を運用するAM会社。
 
もともと日本の商業施設に投資するシンガポールREITの運用会社として設立され、ブラクストーンがREITと運用会社を買収後、日本での不動産の投資運用を担うプラトフームとして現商号に変更された。
 
運用資産残高は3,500億円(20221月現在)。過去1年間で約2,000億円の新規取得を実施しており、「2022年はこの2倍の物件取得を目指す」(CEOの貝塚浩康氏)としている。同氏はゴールドマン・サクス・アセト・マネジメントなどで約30年間業界経験を積んできた人物だ。

 
 
 

  
 

若手の採用・育成で体制強化

 
パンコーの投資運用スタイルはオポチニスティックがメイン。ブラクストーンと連携のうえ大型案件から中小型案件にいたるまで取得のサポート・運用を進める。
 
特色は資金力と機動力の2つである。前者は不動産のエクイテ規模で約23兆円という圧倒的なグループリソース、後者は貝塚氏をはじめ不動産の投資運用に長けた豊富な人的リソースを背景とする。これまでの案件では、駅前商業施設にコールセンターを拡張誘致した事例や、オフスビルの全フロアをセトアプオフスへ改装した事例があり、いずれも収益力の再生・向上に成功している。
 
今後は事業法人の資産圧縮ニーズの高まりを捉えてオフスやホテルなどの取得機会を発掘するほか、冷凍冷蔵倉庫やデータセンターなどのアセトタイプ、許認可取得済用地からの開発型案件にも投資の間口を広げたいとする。
 
加えて資産運用会社としての体制を固めるべく、若手の採用・育成にも積極的に取り組む。「不動産フンドの人材マーケトはリーマンショック以降空白が続いてきた。業界未経験でも若くて優秀な人材を集め、AM会社としてのサステナビリテを高めていきたい」と貝塚氏は語っている。


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