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【2005.10.28】

ファンドは阪神を救うのか

 今年の日本シリーズはつまらなかったなあ。いやそれは、別に阪神ファンだからではなく、4試合33対4というあまりに一方的な点差では、怒る気力も湧いてきません。茫然自失としている阪神ファンの今後、最大の関心事(心配事?)は村上ファンドということになるのでしょうか。村上ファンドは、経営が現在の資産を十分活用していないと判断した会社の株式を買占め、経営に意見を言うことで会社の価値を高め利益を得ることを基本としています。阪神電鉄は、阪神タイガースを上場することでもっと会社の価値を高めることができる、というわけです。

 村上ファンドは、企業の株式に投資する「投資ファンド」ですが、弊社では10月13日に不動産ファンドビジネスに関心をもたれている方々を対象にした「不動産ファンドフォーラム2005」を開催させていただきました。不動産ファンドも投資ファンドと基本は同じです。十分力を発揮していない不動産を買い取り、きちんと活用することで利益をあげよう、というわけです。老朽化したビルをリニューアルして入居率や賃料をアップする、といったことは分かりやすい例でしょう。更地に収益ビルを建てる開発行為も、バリューアップのひとつです。

 一方で、村上ファンドを“ハゲタカ”と糾弾する某球団オーナーもいます。ファンドは企業を買収し資産を切り売りして儲けた後は、その企業がどうなろうとおかまいなしだ、とみるわけです。不動産ファンドでも、確かにこうした戦略をもつところはあります。しかし、個別案件ではなく、大きな視点では、やはり不動産のマネジメントは経済合理性を重視する必要があると思いますし、そのためにも今後、不動産ファンドの果たす役割は非常に重要だと思います。

「不動産ファンドフォーラム2005」では、特に地方の不動産事業者の熱気が目に付きました。人口減少や高齢化の急進展で寂れてしまっている地方都市をファンドの力を使って活性化したいという意気込みをもった方々も大勢いらっしゃいました。特に地域起こしやまちづくりなど、巨額の資金が必要とされるプロジェクトには、資金をベースに合理的な判断をするファンド(およびファンド的な考え方)は最も適していると思いますし、私自身、大きな期待を寄せています。

 ところで、村上ファンドですが、本当に阪神を強くしてくれるのでしょうか。確かにファンと一体となって強い阪神ができるのであれば、そのほうがいいし。かといって、プロ野球12球団のなかで成立している阪神の今後を、利益をベースに考えるファンドが握ることが果たしていいことなのか。うーん・・・。

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