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【2005.08.26】

TX開業に伴う期待感の行方

 8月24日、東京・秋葉原と茨城・つくばを結ぶ、「つくばエクスプレス」(TX)が開業しました。これまで陸の孤島の観があったつくば研究学園都市と東京間のアクセス向上に伴い、沿線を中心にさまざまな開発計画が目白押しになっています。



 東京、埼玉、千葉、茨城の1都3県20都市にまたがる同沿線では、地元自治体や独立行政法人・都市再生機構などが中心となり、現在18の新たなまちづくりが計画・進行中です。その合計規模は2,900ヘクタール、計画人口は24万人をもくろみ、こうした住宅開発に伴う新たな消費の受け皿として、商業施設開発も急ピッチで進んでいます。

 八潮駅での大和工商リースによるスーパー・カスミを核テナントとした「プレスポ八潮」をはじめ、流山おおたかの森駅では東京・二子玉川の開発で知られる東神開発により90億円を投じた商業開発、柏の葉キャンパス駅では三井不動産が柏ゴルフ倶楽部跡地にマンション(800戸)とともに、約170店舗からなる大規模商業開発を計画。さらにイオン鰍焉A柏市内のJR常磐線沿線に大型SCの出店を発表するほか、つくば駅周辺でも開発ラッシュの様相を呈しています。

 一方、起点となる秋葉原駅周辺では、7月にパソコン大手のデルが同社として国内最大規模のリアルサイトを開業したほか、9月16日にはヨドバシカメラの新店「マルチメディアAkiba」が家電量販店としてはわが国最大級となる売り場面積3万u超の規模で誕生。また阪急電鉄が08年3月をめどに207室規模の宿泊特化型ホテルを建設する計画もあるなど、今後のさらなる変貌が注目されます。

 1985年の運輸政策審議会での答申以来、約20年の月日を経るなか、途中バブル経済の崩壊による沿線の宅地開発の遅れなどもあり、開業5年後の1日当たり輸送需要予測も段階的に下方修正されてきた経緯があります。ただ、20年前と今日では秋葉原も電気街からIT産業拠点へと街としての性格を大きく転換し、さらにここにきて景気の先行きにも明るさが見えてきたことから、沿線開発にもはずみがつくものと思われ、地域経済発展の起爆剤としてのTX開業効果に期待がかかるところです。

(坂本義朗/月刊レジャー産業資料

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