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【2005.06.17】

美へのあくなき欲望の反映か?
〜多彩な機能複合が進むビューティ&リラクセーションビジネスの現在

 女性にとって永遠の願望ともいえる「美しさ」へのニーズを満たすビジネスの存在は、いまに始まった話ではありません。痩身、美顔を売り物とした「エステティックサロン」などの美容事業が、好不況にかかわらず安定的な支持を得てきたのはいうまでもないでしょう。しかし、最近になって「美」だけではなく、そこに「癒し」「リラクセーション」の要素を加えた業態開発の動きが拡大しはじめています。



 従来のエステサロンが、いわば身体の表層や外見を美しく整えることを主眼としていたのに対して、外面だけでなく、内面からの美しさの実現を謳う業態が続々と登場してきています。たとえば「スパ」や「マッサージ」、「アロマテラピー」などの機能を複合することで、精神面のストレスを解消するなど、身体の内外ともに美しくなりたいとの声に積極的に応えるものといえるでしょう。

 この背景には、働く女性の増加があります。20歳代〜30歳代を中心に、景気低迷に伴う厳しい労働環境下で、ストレスに悩む就労女性は少なくありません。その一方、とりわけシングル女性はいま話題の「おひとりさま」マーケットなどとして、消費の牽引役と目されているのはご承知のとおり。ふだんの日常生活は決して派手ではないものの、豊富な情報や経験から培った価値観のもと、自らにとってバリューがあると考えるモノ、サービスに対しては、思い切ったお金も投じる――そうした消費行動が特徴です。

 この層においては、たんに表層的な美容だけでは満足できず、メンタル面も含め、より高次のトータルな「美」を追求するニーズが高まってきているわけです。これに着目し、既存のエステサロンもスパやマッサージの要素を採り入れ、総合的な美の提供の場へとシフトするところがふえています。また、これらに軽い「運動」の要素を加味し健康増進を図ったり、さらに踏み込んで「医療」との連携を通じ、個人に見合ったメニューを提供する"メディカルスパ"など、多彩な要素や機能を複合し、互いに業態間の垣根を超える動きが出てきました。

 美に対する女性の欲望には、底深いものがあるのはあらためて言うまでもありません。この顧客満足を満たすうえでは、従来の業態の枠に捕らわれている方がナンセンスでしょう。あまりにも欲深い?今日の女性ニーズをベースに発想するならば、このように貪欲なまでにあれもこれも取り込む機能複合化の開発の流れは当然かもしれません。すでに1時間いくらという設定のもと、施設内に用意されたマッサージ、エステ、メイクアップなど多彩なメニューを自由にチョイスできる24時間営業の新業態も都内に誕生し、大きな話題を集めてきているぐらいですから・・・。

『月刊レジャー産業資料』6月号の特集では「拡大するビューティ&リラクセーションビジネス」と題して、女性の心を捉える新たなビジネスモデルについて、「美」「癒」「健」をキーワードに業種横断的な視点から探っています。新規参入を含め、女性をターゲットとする幅広い事業者の方々にお役に立つものと思います。ぜひご一読ください。

(坂本義朗/月刊レジャー産業資料

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