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【2005.03.11】

グループホームでの殺人事件が意味するもの

 グループホームで、84歳の女性入居者が殺害された事件がありました。

 犯行に及んだのは20代の介護スタッフで、彼はその日ひとりで夜勤をしていました。このニュースは大きく報道されましたから、ご存知の方も多いと思います。

 ところでグループホームといえば、介護保険導入以前は全国で266カ所であったにもかかわらず、現在では6千カ所以上にまで増加しており、今後は「質を向上させなければ生き残れない時代」に突入したといわれます。それではこの「質」とは一体何を指すのでしょうか?

 私どもはそれを「経営者の質」であると捉えています。そもそも介護ビジネスとは労働集約型産業の典型であり、この産業に最も不可欠な点はスタッフの「モチベーション」です。したがって、たとえば「ケアの質」も重要な論点ではありますが、ここに引きずられると経営の本質を見誤ります。

 なぜならば、この指摘はともするとマネジメントサイドの課題を現場にしわ寄せする際の「言い訳」にもなりかねないからです。たとえば待遇も権限も不在なままで、ケアの質の向上など不可能です。つまり経営者と介護の現場スタッフの関係性においても、浪花節的な「措置」からプロフェッショナル同士としての「契約」への移行が求められます。現場のモチベーションを向上させようとすれば資金調達や、利益率向上のための抜本的なビジネスモデルが求められることになります。現在発売中の本誌3月号とは、この課題を出発点にとりまとめられたものです。

 一方で、昨今「介護予防」という名のもとに新たな仕組みが介護保険制度に導入されようとしています。しかしこの制度においてもやはり見過ごされている点は、サービスの受け手である高齢者の「モチベーション」です。リハビリマシンであろうが温浴施設であろうが、たとえそれがどのようなサービスであっても、消費者である高齢者のニーズを軽視して成立し得るものではありません。

 月刊シニアビジネスマーケット4月号では、こうした認識のもとに、ともすれば民業圧迫にも陥りかねない介護予防制度を超えて、高齢者の意欲やモチベーションを支えるアクティブシニアビジネスの可能性を占います。

【参考URL】
月刊シニアビジネスマーケットブログ
http://blog.livedoor.jp/sbm1/
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