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【2005.02.04】

新たな局面を迎えるカラオケ施設市場

「カラオケビジネス」誌が推定した2004年末時点のカラオケ施設数は7,700軒。これはカラオケ付き個室を有する居酒屋やカラオケ喫茶等を除いた、いわゆるカラオケルーム・ボックスの施設数です。1997年がピークで1万3,800軒が営業していましたが、以降、毎年1,000軒程度の減少を続けてきました。ただ、昨年は対前年で300軒の減少にとどまり、減少傾向も底を打ち始めたといえます。一昨年までの市場の動向は、大規模チェーン店舗が進出し、その商圏内の中小規模既存店舗が閉鎖に追い込まれるという状況でしたが、昨年から、競合の状況が大きく変わり始めました。

 昨年の主な大規模チェーン店舗の出店状況をみると、「シダックスクラブ」が30店舗、「ビッグエコー」が22店舗、「コート・ダジュール」が24店舗、「カラオケ館」が10店舗、等々、積極的な出店が続きました。ただ、各社がより大きなパイの見込める繁華街への出店を進めたことにより、複数の大型店舗同士が隣接して営業するようなケースも見られ始めました。その結果、新規出店しても事業計画を下回る売上げにとどまるケースもみられるようになってきました。各店舗それぞれ特徴があるとはいえ、利用者からみて決定的といえるほどの差異はないというのが現状のカラオケ施設です。大都市繁華街とはいえ、同じタイプの店舗の増加は、利用者の拡大にはつながらず分散するだけです。今年は、大規模チェーン店舗同士の熾烈な競合が生じそうです。また、その一方で、昨年12月に、コート・ダジュールが“個室ダイニング”“パーティスペース”“時間消費型複合店舗”と3種類の新しい方向を打出した3店舗を相次いでオープンさせました。今年は、こういったターゲットを絞り込んだ新業態店舗の開発も進みそうです。

 カラオケは、5,000万人弱という膨大な参加人口を有する遊びです。このパイの大きさを背景に、今後、各社がどのような利用者獲得の施策を実施してくるのか、今年はその方向が見える年になりそうです。


(多田義則/季刊カラオケビジネス
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