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【2004.11.05】

災害とレジャー施設

 さる10月23日に発生した「新潟県中越地震」。被害に遭われた方々には心よりのお見舞いを申し上げます。

 さて、この震災が周辺地域のレジャー施設にもたらす影響にも看過できないものがあります。直接的な施設への被害はなくても、道路、鉄道網など交通インフラへの被害から、今後の集客に大きなダメージを与える可能性が考えられるためです。



 本震から2週間近く経った11月4日現在でも、新潟県内で避難されている方は4万3,000人、電気・ガス・水道の止まっている住宅は延べ4万6,904戸。そうしたなかで今後、交通インフラの本格的な回復までにはまだまだ時間を要するでしょう。

 とりわけ被災地周辺に立地する温泉旅館、スキー場などでは、アクセス面での障害に加えて、余震がさらに続くようであれば風評被害も含め集客への影響は長期化するものとの危惧を禁じえません。こうした不安要素が高まるなかで、周辺地域の温泉旅館組合などがいちはやく被災者に入浴の場や宿を提供する動きが報じられました。

 六日町温泉旅館組合では、被害のひどかった十日町地区の被災者に10の宿泊施設で浴場施設の開放を行なうほか、湯沢温泉旅館組合も15の旅館・ホテルが滞在の受け入れを行なっています。また湯沢町では6つの町営温泉を被災者だけでなく、ボランティアに参加する人なども含めて無料開放しています(朝日新聞より)。

 仮設住宅の建設が追いつかないなか、寒さを増す現地の被災者に向け、国でも温泉旅館やホテルの借り上げ、老人福祉施設や年金保養施設の活用を進める方針を打ち出しました。

 思い出すのは阪神・淡路大震災でのレジャー施設の対応です。あのときも、神戸市の「神戸フルーツ・フラワーパーク」が被災者の入浴を受け入れたほか、民間事業者においても被害の少なかったホテルなどが被災者の支援の場として数多く名乗りを上げたのです。もとより、こうした自然災害の発生に対して人は防ぐ手立てをもたない無力な存在です。でも、その後の人の対応は多くの人の心に残るはずです。当時、取材に対して、自らも震災の被害に遭いながらも「地域に根ざすビジネスである以上、当然のこと」と語ったある民間事業者の顔と声が思い出されます。

 今回の被災地の1日も早い復興をお祈りします。

(坂本義朗/月刊レジャー産業資料

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