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【2004.10.15】

札幌で感じた、“いい建物とは”

 首都圏の不動産投資が過熱気味で、不安な年金よりも不動産で定期収入を稼ぎたいという個人投資家層を巻き込んで物件価格が高騰、ミニバブルの様相を呈しはじめています。物件価格の高騰は利回りの低下を招きますから、REITやファンドをはじめとする機関投資家には、由々しき問題となります。より高利回りを求めて、地方都市に向かう動きもでてきました。11月号では、そんな様相をレポートすべく、地方都市への取材を行いました。

 10年ぶりに訪れた札幌では、取材とは別に気になっていたレジャー施設のその後を地元の方に伺いました。最近、星野リゾートに運営が変わったアルファリゾート・トマムですが、安くてクオリティも高いと評判は上々でした。特に温浴施設「VIZスパハウス」は設備、雰囲気ともすばらしく、「毎年のように行っています」という方もいらっしゃいました。このスパと海鮮食べ放題をセットにした1泊2食プランが1万円という料金は確かに魅力的です。

 温浴施設+ホテルの札幌テルメは、ガトーキングダムと名前を変えました。温浴施設の料金は、以前とさほど変わらないようですがアメニティやオペレーションがよくなったという声を聞きました。「子供が好きでよく行きます」と地元に定着している感じす。ホテルも割安な料金設定で台湾や韓国など近隣諸国を含む観光客で賑わっているようです。いずれも、しっかりと取材をしたわけではないのですが、過大投資と問題視された施設が地元の人が利用しやすい施設として評価されていることは、なんとなくうれしくなります。

 質の高い施設をつくることはリスクが高く、失敗したときに大きな問題を引き起こします。しかし、経営が変わればその質の高さをリーズナブルに提供できることになります。もちろんその蔭には泣く人も多いわけで手放しで評価するわけにはいきませんが、少なくとも一度つくってしまった施設はそれを良質なストックとして活用する工夫を怠るべきではないでしょう。

 札幌では、冬に積雪があるため建物の劣化は首都圏よりずっと早いと聞きます。修繕コストやランニングコストも嵩みますから、こうした点をしっかりと評価しないと投資に失敗することにもなりかねません。一方、質の高い建築を行うことで劣化も少なく、維持・修繕も低減できる物件もでています。質の高い施設をつくるメリットとリスク、考えされられた出張でした。

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