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【2004.09.30】

ベビーホテルと老人ホーム

 私事で恐縮ですが、3歳になる長女の話しをさせていただきます。彼女は最近保育所を変わりました。理由は娘の登校(所)拒否です。

 彼女が通所を嫌がったのは全国的にチェーン展開する、あるベビーホテルです。娘を連れていくと大泣きして私の腕を掴んで離しません。強引に預けた後味は極めて苦く、ある日私が迎えに行くと、部屋の片隅でぽつんと座って待っていました。その日も「普段通り」食事にほとんど手をつけていませんでした。

 いまでは新しい保育所に元気に通っているので一安心ですが、ホスピタリティサービスのあり方について考えさせられた一件でした。それは、娘(入所者)に良い施設と私たち保護者(家族)に都合の良い施設とは別物だという点です。

 娘はまだ筋道を立てて物事を説明できる年齢ではありません。しかし私たち夫婦はあれこれと話し合った結果、少なくともひとつは、その施設の問題点を理解しました。それは保母さんの「資質」です。このベビーホテルの保母さん達は、幼稚園と保育所のどちらでも勤務できる資格を持つ方々だそうですが、服装や会話内容から見ると学生さんと見間違えるほど若い女性です。彼女達は確かに子供達に好かれそうな朗らかな性格をしているのですが、いかんせん子供との付き合い方がこなれていないのです。たとえば彼女達は、不機嫌な子供達の気分転換など上手に出来ないため、ともすれば子供を放置しがちになります。恐らくその施設の昼食を取らない子供は、私の娘だけに限らないと思います。

 そこで思い出すのが、ある介護事業会社の経営者のお話しです。同氏は宅老所を手始めに起業し、いまでは診療所、グループホーム、デイサービス、そして有料老人ホームを展開しています。同社に限らず、こうした介護サービスの現場も、保育所同様若いスタッフが支えています。しかし同氏は、たとえ今は困難であっても、将来的には、お年寄りに年齢的に近い世代のスタッフで現場を充実させたいと話されています。なぜなら若者だけでは、お年寄りの身体介護は行えても、心の中まで入っていくことが極めて困難だからだそうです。

 さて月刊シニアビジネスマーケット創刊第3号(10月号)では、「高齢者にとってホスピタリティサービスのあるべき姿とは?」というテーマについて「医療と介護の幸福な融合」という切り口から取り上げます。ご期待ください。

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