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【2004.06.25】

既存温泉地の「地域一体的再生」のゆくえは

 温泉旅館の再生に向けて支援を続けてきた足利銀行の破綻以来、再び苦境に陥った栃木県の鬼怒川温泉。その復興に向けた取組みが動きはじめました。産業再生機構と国の地域再生本部が、「旅館立て直し」と「街並み整備」の両軸から地域一体としての再生支援の方針を打ち出したためです。



 産業再生機構は、鬼怒川を中心に負債に苦しむ複数の宿泊施設を対象として、「業務支援会社」をこの夏に設立。同社が運営するファンドが、主要取引先の足利銀などから債権を買い取り子会社化し、再生に向かわせるシナリオで、仕入れの一本化や営業企画も共同で行なうなど、「地域一体型支援」を目指します。すでに奥日光の中堅旅館の一つ「ホテル四季彩」が第1号に決定しているほか、来年3月までに20〜30軒を支援する方針です。

 一方の地域再生本部は、国交省のまちづくり基金を利用するとともに、同機構とも連動して、廃墟になった旅館を取り壊し体験農園にしたり、遊歩道や観光案内板の整備を進め、温泉街としての魅力再生をサポートする予定です。

 地域に根付く老舗旅館の再生については、経営の外部招聘が地元遊離の不安を生むなど懸念材料も皆無ではありません。しかし、これまでに例のないこうした「街ごと復興」に向けた取組みがどう実を結ぶのか、今後の動きが注目されるところです。

 なお本誌では9月号、10月号にてレジャー・リゾート事業再生に向けた特集を組む予定です。こちらもご注目ください。


(坂本義朗/月刊レジャー産業資料

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