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【2004.05.14】

曜日配列に恵まれおおむね好調
増大した旅行需要には個人消費回復の兆しも
――GWのレジャー施設集客状況

 レジャー・集客施設にとってゴールデンウイーク(GW)は、1年のなかでも夏休みなどと並ぶ書き入れ時。とりわけ今年のGWは、5月1日から5日にかけて5連休、4月30日を休めば7連休と恵まれた曜日配列から、旅行業者やレジャー施設からは大きな期待が寄せられていた。しかしその一方では、天候に大きく左右されるのも、またレジャー消費の常。
 その結果がどう出たのか、4月29日から5月5日の7日間について注目施設の動向を中心にみてみよう。



 テーマパークでは、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーが58万8,000人と飛び抜けている。昨年のGWは71万3,000人で、これだけをみれば12万5,000人減だが、昨年のGWは4月26日から5月5日まで10日間に及んだことから直接比較はできない。1日当たりでは、昨年の7万1,000人に対して8万4,000人と1万3,000人ほど上回っている。

 一方、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンは25万7,000人。03年が10日間で62万2,000人だっただけにその減少幅は一層大きい。ただし昨年は期間限定で入場し放題のパスが有効だったこともあり、同パス利用者の2回目以降の来場を除いた“実数”は47万8,000人。これをもとに1日当たりでみても、昨年4万7,800人に対して3万6,700人とやはり大きく下回る結果に。2大パークは明暗が分かれた格好だ。

 次に、昨春開業が集中した都内の温浴施設では、大江戸温泉物語が2万9,500人(5/1〜5)と、03年同期とほぼ同レベルを維持。同様にスパ ラクーアも昨年を上回る1万5,500人と、ともに定着を窺わせる。後半の天気の崩れも身近な屋内型施設には追い風となったようだ。

 対照的に、昨年鳴り物入りで開業した六本木ヒルズ(東京都)は約15%の減。観光客需要が落ち着いたほか、回転ドアによる事故から予定していた1周年記念行事を自粛した影響も。

 大型イベントでは4月8日から始まった浜名湖花博(静岡県)が32万2,650人。GW中1日平均5万人の目標には及ばなかったが、天候不順のなかでは健闘した数字だ。

 旅行動向はどうか。出発日が4月24日から5月4日で1泊以上の旅行者は国内外ともに4年ぶりに前年を上回った。とくに海外旅行は、昨年のSARS騒動の反動もあり、207.3%と倍増。まとまった休みがとれる曜日配列にも恵まれ、旅行先では国内では沖縄、北海道、海外ではハワイ、グアムなどのビーチリゾート、ヨーロッパやオセアニアなど、遠距離旅行の人気が復活。旅行消費額も3年ぶりに増加を示すなど個人消費の回復傾向がみてとれる。

 また国内の地域別にみると、先の浜名湖花博に伴う東海地方、新幹線が一部開業した九州地方も健闘。が、それより注目したいのが、昨年、東北新幹線の盛岡・八戸間の開業効果で高集客をみせた北東北地方で、今年はさらにそれを上回った点だ(22%増)。JR東日本では「継続的な観光情報の発信により北東北の旅行人気が定着をみた」と捉えており、集客施設でも宿命とされるいわゆる“2年目のジンクス”は、営業努力によって超えられることを示す一例といえそうだ。

 なお、より広範な領域にわたる集客マーケティングデータについて、弊誌8月号(7/25発売)で特集を組む予定です。こちらもご期待ください。

(坂本義朗/月刊レジャー産業資料

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