わが国のコンテンツ産業は、海外からも高く評価され、日本再興戦略(平成27年6月30日閣議決定)においても「コンテンツを核としたクールジャパンの推進」が掲げられています。国をあげて観光立国を推進していることに加えて、訪日外国人3,000万人時代を目前に控え、リアルにコンテンツを体験できるライブ・エンターテインメント施設の役割は今後、ますます高まっていくものと考えられます。
国内ではCDをはじめとする音楽パッケージ市場は縮小の傾向にあるものの、ライブ市場は年々規模を拡大しています。また、東京を中心とした首都圏では劇場・ホールの建替えや閉館の増加による会場不足が2016年問題として顕在化しています。
さらに、全国約2,200の公共ホールは、市町村合併や老朽化などに伴い、今後は整理・縮小の方向にある一方で、2012年6月、「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」の施行により、長期的・継続的な地域文化の発信拠点としての役割が求められています。
本書ではこうした背景を踏まえ、劇場・ホールのマーケット動向やは要かするライブコンテンツの潮流を整理するとともに、現在の問題点や課題への対応、さらには時流に即した新しい劇場・ホールの開発・リニューアル・運営手法について詳解いたします。
|