株式会社ナコム

[飲食

コロナ禍でも業績アップを実現する“食のプロデュース”
メニュー開発から従業員教育までをワンストップで提供

HACCPの考え方を取り込んだ衛生管理について
−レジャーホテルにおける取組みのポイント

 

コロナ禍により観光などの移動が制限されるなか、カップルがプライベートな時間を楽しめる空間としてレジャーホテルが再評価されている。好調なホテルに共通するのは長時間の滞在でも満足できる飲食サービスを提供していることだ。レジャーホテルに特化した飲食サービスの支援をワンストップで行ない、運営のコンサルティングにまで踏み込みながらホテルの業績アップに貢献する㈱ナコムの「食のプロデュース」について取材した。
 

企業名

株式会社ナコム

TEL

072-870-5305

所在地

〒578-0901 大阪府東大阪市加納5-2-8

URL

http://www.nacom.jp


店内の販促POPも制作

ホテルに合わせてグランドメニューを提案

個別の要望に応えるプランで
利益アップをともに実現する

 レジャーホテル向けの食品卸業として約1,400社に食材を提供するナコムでは、飲食のプロデュースを核にホテルの経営を支援するコンサルティングを展開している。同社とコンサルティング契約する多くのホテルがコロナ禍においても業績を伸ばしているが、その背景にはナコムが食材の提供にとどまらず、個々のホテルの事情に合わせてメニューを構築し、運営や集客にまで踏み込んで支援している点にある。
 
 同社代表取締役社長の西村直晃氏は「美味しい食事は利用者のリピーターを生み、ファンを作ります。弊社に相談されるホテルさまの要望は千差万別。収益を上げたいという経営者の期待に応えるためには、飲食メニューの提供だけでなくサービス全体の改善にも関わっていく必要があるのです」と語る。
 
 ナコムではホテルからの依頼を受け、要望に応じたメニューを開発する。飲食はホテルのブランディングになるとの考えから、一般的なメニューだけでなくホテルのコンセプトに合ったラインナップでグランドメニューを構成するのだ。加えて、クリスマスやバレンタインデーなど季節限定のイベントメニューも考案。年8回にも及ぶ特別メニューが登場することで利用者は何度来ても目新しい食事を楽しめるのである。提供する料理はすべて写真撮影し、美味しそうに見え注文につながるようメニューもデザインする。
 
 ホテルのスタッフは、フロント業務をこなしながら、飲食に対応するケースがほとんどだ。ナコムでは、自社の冷凍工房で使い切りの個食PB商品を開発、生産できるようになった。大袋の食材を現場で計量小分けする手間を省き、業務の省力化を図るのである。近年、大手食品メーカーは個食の商品を減らす傾向にあるが、ナコムはレジャーホテル向けの飲食ニーズに応える形で今後、使い切り個食PB商品のラインナップを増やしていく。小ロットでの発注が可能なのでホテルは不要な在庫を抱えずに済むというメリットもある。
 
 レジャーホテルのフードコンサルティングを手掛けている同社取締役本部長の藤原正実氏は、「お客さまに感動して頂く料理を提供することを全員で認識し、日々実践して積み上げて行くことが大切です。そのために厨房設備の見直しから提案しています。料理のランクを上げることはもちろん、設備が整った導線で従業員がストレスなく働けることがモチベーション維持に繋がるからです」と語る。
 

新メニュー導入により
10か月で対昨年比47%増

 こういったサービスをワンストップで利用できるのはレジャーホテルにとって魅力で、コンサルティングにより大きな成果をあげているホテルも多い。
 
 同社のコンサルティングの特筆すべき点は、飲食サービスを超えた提案を行なっている点にある。ホテルメンバー加入のメリット説明や飲食メニューの紹介など接客に関する指導、誘客を強化するための看板やサインの改良、従業員へのヒアリングとアドバイス、月1回の売上動向の確認と対応策の提案まで、熱意をもってトータルでサポートしていく姿勢で信頼を得ているのだ。「なかでも力を入れているのは従業員教育です。経営者の思いを現場に落とし込み、一丸となって同じ目標を目指す。その行動が結果につながれば従業員のモチベーションも上がります」(藤原氏)。
 
 ナコムのコンサルティングを利用するレジャーホテルに6店舗を展開するA社がある。2018年1月にグループで契約を結び、オリジナルメニューを開発し、順次、新メニューを導入していった。コロナ禍で多くのホテルが苦境に立たされるなか、A社の飲食売上は2020年10月までで前年の通年と比べ、すでに47%(1,300万円)の増加となった。繁忙期の11月~12月が順調に推移すれば昨対比はさらに伸びるだろう。
 
 A社の担当者は導入について「以前は、飲食は各店で考えてやっていましたが、内容もクオリティも統一されておらず、総売上に対して飲食売上は3%弱に留まっていました」という。そこでナコムとのコンサルティングを決断したのだが、「新メニューの提供前には従業員への導入レクチャーを実施し、調理指導はもちろんですが、導入の目的と意思疎通、衛生管理の徹底など実際の調理以外の部分についても従業員と共有できたことで安心感が得られました。実績も目に見える形で出ており、総売上に対しての飲食売上比率は約7%まで上昇し、確実にプラスαを生み出しています」と語る。

魅力的なウェルカムサービスはリピートに繋がる

 
 

調理指導では、テクニックに加え調理スタッフとしてのマインドも教育していく

「HACCPの考えを取入れた衛生
管理」の対応もフォローアップ

 飲食サービスで最近注目される話題のひとつに「HACCPの考えを取入れた衛生管理」がある。厚生労働省主導により2021年6月から義務づけられ、飲食サービスを提供する事業者は規模に関わらず実施しなければならない。当然、レジャーホテルも含まれる。保健所から認証を受けるものではなく罰則はないが、営業許可の更新時や定期的な立ち入りで衛生管理として実施状況を確認される可能性はある。
 
 「とはいえ、恐れることはありません。
①衛生管理計画の立案
②計画に基づく手順の策定と実施
③実施の記録
の3点を確実に行なえばよいのです。
利用者の安全を高め、信頼の証となることに加え、何よりもコロナやノロなどのウイルスの感染から従業員を守ることに役立つのです。ポジティブに捉えて、取り組んでいくべきだと考えます」(西村氏)。
 
 レジャーホテルの魅力を高める強力な武器である飲食サービス。その充実と適切な提供、さらにはHACCPの考えを取り入れた衛生管理の指導をワンストップで提供できるナコムの食のプロデュースは、今後もニーズが高まっていくといえるだろう。