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 1986年11月発売

繁華街を歩く 東京編
繁華街の構造分析と特性研究
著者:松澤光雄
A5判 382ページ 定価2,800円+税 ISBN:978-4-88150-012-X


人間のつくる巣、繁華街は三層の構造から成る。
東京の各繁華街を三層構造からみれば実にさまざまなことがみえてくる。
20年間の街歩きから生まれた繁華街図を多数収録。

【本書の主な内容】


第1章 三層構造の繁華街

夢中で新宿を歩く/三層街の発見/同心円三層構造/歩行者は街の血液/繁華街は人間の巣/中心街は女街/回遊路/中間域は男街/周縁域は男女街/繁華街侵食と化石/X型繁華街の形態/X型繁華街の原理/X型繁華街の内部の街の発達順序

第2章 新宿

新宿はいま伸び盛りの青年/新宿東口の装身性回遊路/化石の中島薪炭店/早朝のゴミの山/消えていった村/ミラノ域−新宿東口中間域(その1)/演出広場設置の提案/中央域(コマ域)−新宿東口中間域(その2)/ゴールデン域−新宿東口中間域(その3)/豪華な周縁域/二丁目は新宿の原形/西口に人を流す工夫/線路を覆う駅ビルの夢

第3章 渋谷

SHAヤングタウンの出現/開かれた谷の街/ヒトデ型回遊路/新しい回遊路の出現/渋谷の中間域/大正デモクラシーの百軒店/円山ホテル街

第4章 原宿

娘たちのつくった一夜城/高感度低価格の「子ども部屋」/娘たちは回遊路をつくった/優れた自然環境/娘たちの来はじめたころ/竹下通りの繁華街侵食/原宿表参道の三区分/原宿の歴史

第5章 青山

SHAヤングタウン/江戸時代は青山傘の産地/青山繁華街の現状

第6章 赤坂

丘の緑に囲まれた街/かつては政財界人の社交場/赤坂の歴史/二・ニ六事件と赤坂/気品の高い赤坂の街/酒は正宗、芸妓は万竜/赤坂飲食店街の現状/赤坂の丘あるき

第7章 六本木

X型繁華街の典型/若者のつくった夜の街/自由都市・六本木−その五つの特色/五つの区域の個性

第8章 池袋

ネズミ取り構造の池袋駅地下道/街をおさえこむ道路配置/昔の池袋/西口飲食街の四ブロック/草のホテル域/豊島師範跡に文化施設を/サンシャイン60の出現

第9章 銀座

成熟度の高いX型繁華街/江戸時代の銀座/銀座を育てた洋風文化/明治政府のつくった文明都市/銀座に咲いた文明開化/磨きあげられた専門性/高級バー、クラブの誕生/銀座の細路地/タテの銀座とヨコの銀座/水を失った嘆き

第10章 吉祥寺

新しい人工繁華街/吉祥寺の歴史/吉祥寺繁華街実現の苦闘/吉祥寺を歩く

第11章 浅草

江戸時代からの古い街/大バザールの「市」の街/浅草は鉢巻の街/浅草は東京の遊び場/映画・演劇の街−浅草/浅草を歩く

第12章 上野

花の雲 鐘は上野か浅草か/文化施設の丘/寛永寺の開いた街/田舎との接点/上野の街の配置/上野池之端の老舗/東上野の江戸職人/上野を支えるアメ横の盛況


【著者プロフィール】

松澤光雄(まつざわ みつお)大正4年長野県に生まれる。日本地理学の泰斗田中啓爾を慕い立正大学地理学科へ進む。都市地理の繁華街構造と取組み、繁華街の三層構造、回遊路理論を提唱し、市民生活と街との関係、商店立地と街との関係を自らの脚でとらえるべく、東京の街、日本の街、さらに世界の街を歩き続けている。